【ワシントン時事】バイデン米政権は5日、トランプ前政権が進めたメキシコとの国境の「壁」の建設を継続することを決めた。バイデン大統領は2021年1月の就任初日に「壁」の建設中止を宣言したが、不法移民が急増。野党共和党が来年の大統領選で移民問題を主要争点に掲げる中、再選を目指すバイデン氏は苦渋の決断を迫られた。
 マヨルカス国土安全保障長官は5日、「壁」建設の妨げとなる環境規制などの適用を免除すると官報で公示した。南部国境からの不法入国者数が昨年10月~今年8月初旬までに24万5000人に上ったと説明。「不法入国を防ぐため、国境付近での物理的な壁と道路の建設が急務となっている」と記した。 
〔写真説明〕米国とメキシコの国境に設けられた壁付近で野営する移民=9月22日、メキシコ北部ティフアナ(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)