【ブリュッセル時事】ロシア国営タス通信は15日、ウクライナ軍が南部ヘルソン州で、ロシア軍が支配するドニエプル川東岸に上陸したと報じた。10月に入り、ウクライナ軍が渡河し足場を設けたと伝えられていたが、ロシア側が認めるのは初めてとみられる。
 ウクライナは6月に反転攻勢を始めたものの、こう着状態が続いている。こうした中での今回の前進は、「戦術面で大きな成功を意味する」(AFP通信)との見方も出ている。
 タス通信によると、ロシア側が任命したヘルソン州のサルド知事は通信アプリで、ウクライナ軍の小集団が東岸にいると認めた。ただ、兵士は東岸近くのクリンキー村で前進を阻まれ、毎日複数が「わが軍に投降している」と述べた。過去2~3日のウクライナ軍の死傷者は、100人に上るとも主張した。
 一方、ウクライナ軍は東部ドネツク州や南部ザポロジエ州で激しい戦闘を続けているもようだ。ウクライナのゼレンスキー大統領は15日、両州でロシア軍によるミサイル攻撃があったと指摘。「大変な一日だった。ロシアはまだ悪事を働くことができる」と述べた。 

(ニュース提供元:時事通信社)