【ロンドン時事】世界気象機関(WMO)は12日、2023年が観測史上最も暑い年だったと公式に認定したと発表した。世界の平均気温は産業革命前(1850~1900年)の水準から約1.45度高かった。気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」が掲げる1.5度目標に「ますます近づいている」と警告した。
 WMOが六つの主要な国際データを基に分析した。特に6~12月は、太平洋赤道域東部の海面水温が上昇するエルニーニョ現象の影響で、全ての月で月間平均気温の最高記録を更新。7、8月は観測史上最も暑い2カ月間だった。24年もさらに暑くなる可能性があるという。
 WMOのサウロ事務局長は「気候変動は人類が直面する最大の課題だ」と指摘。「もはや待つ余裕はない。温室効果ガスの排出を大幅に減らし、再生可能エネルギーへの移行を加速させなければならない」と訴えた。 

(ニュース提供元:時事通信社)