【台北時事】13日の台湾総統選で当選した与党・民進党の頼清徳副総統は14日午前(日本時間同)、台北市の民進党本部で日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会の大橋光夫会長と会談し「台日の多元的な協力関係を具体的に引き上げたい」と述べた。当選翌日に会談することで、対日関係を重視する姿勢を改めて示した形だ。
 民進党によると、頼氏は会談で「日本は台湾にとって非常に緊密な民主主義のパートナーだ」と強調。経済や貿易、環境など多くの分野で協力を深めたい考えを示した。大橋氏は頼氏の当選に祝意を伝え、「日本も引き続き台湾との協力、交流の促進を期待している」と述べた。
 会談には、頼氏とペアで次期副総統に選出された蕭美琴・前駐米代表(大使に相当)、同協会台北事務所の片山和之代表(同)も同席した。頼、蕭両氏は、訪台している超党派の日華議員懇談会会長を務める古屋圭司元国家公安委員長(自民党)らとも会談した。
 頼氏は蔡英文総統の外交路線を引き継ぎ、米国や日本、欧州との関係を重視する方針を明らかにしている。民主主義国との連携を深め、「祖国統一」に向けて軍事的、経済的圧力を強める中国の習近平政権に対する抑止力としたい考えだ。
 米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)は14日、総統選を受けて非公式の代表団が同日から訪台し、滞在中に「台湾政界の要人」と会談すると発表した。代表団はブッシュ(子)政権下のハドリー元大統領補佐官(国家安全保障担当)、オバマ政権下のスタインバーグ元国務副長官らで構成される。頼氏と会談する可能性がある。 

(ニュース提供元:時事通信社)