文化庁は23日、生成AI(人工知能)の開発や利用の際に著作権侵害になり得る場合などを整理した考え方の素案について、パブリックコメント(意見公募)を実施すると発表した。期間は来月12日までで、結果を踏まえてさらに議論し、年度内に公表する。
 考え方は、著作権者や開発事業者などの懸念解消のため、現時点での現行法の解釈を明確化するのが目的。同庁が昨年12月、文化審議会の小委員会に素案を提示し議論してきた。
 素案では、生成AIの開発段階で、意図的に特定のクリエイターの創作的表現を出力させる目的でAIに学習させる場合は、著作権者の許諾が必要で、利用段階では著作権侵害に当たり得るとした。
 また欧米の新聞社を例に挙げ、著作権者がAIによる学習を防止する技術的措置を講じた上、開発事業者ら向けのデータベースとして販売予定がある場合は、著作権者の利益を不当に害することになると指摘。海賊版と知りながら学習データとして収集した場合は、開発事業者らが侵害の責任を問われる可能性を示した。 

(ニュース提供元:時事通信社)