国土地理院は2日までに、能登半島地震の影響で石川県珠洲市内に全長約4キロ、幅100~200メートルにわたる地面の隆起を確認したと発表した。隆起の影響で河川のせき止めや道路の損傷が発生したとみられ、最大約2.2メートルの崖も出現した。
 調査したのは珠洲市若山町内の東西約5.5キロ、南北約2.5キロの範囲。地震直後の1月2日に撮影した航空写真と2022年8~10月ごろの写真を比較し、地震前後の高低差などを解析した。
 確認された隆起は同町を流れる若山川に沿って出現しており、河川を横切る場所では水がせき止められ、川幅が広がっている様子が確認された。周辺の道路には亀裂が生じており、隆起による圧縮が起こったとみられる。
 若山川沿いには、地層が波のように曲がってできた褶曲(しゅうきょく)という構造が見られるという。07年の新潟県中越沖地震では、褶曲を成長させる地下の断層面が地震によって活動したとの報告もあり、国土地理院は「今回の隆起は中越沖地震の例と似ているが、地下に断層があるかは分からない」と説明している。 

(ニュース提供元:時事通信社)