2024/06/21
防災・危機管理ニュース
不祥事に関する内部文書を第三者に漏らしたとして、鹿児島県警の前生活安全部長が起訴されたことを受け、鹿児島県警の野川明輝本部長は21日の定例記者会見で、県警の捜査の結果、「隠蔽(いんぺい)を指示した事実はない」と述べた。また、前生安部長の行為は「公益通報ではない」と判断したと明らかにした。
一方、県警枕崎署員の盗撮事件で捜査状況の確認や指示を徹底しなかったとして、警察庁は野川本部長を長官訓戒とした。
野川本部長は会見で、前生安部長の本田尚志容疑者(60)が漏えいした文書には、同本部長が隠蔽を指示したとの記載はなく、前刑事部長が指示したなどと書かれてあったと指摘。同部長の名誉を毀損(きそん)している点や公表を望んでいないストーカー被害者の氏名などの記載があることから、「公益通報には当たらない」と述べた。
本田容疑者は逮捕後の今月5日、鹿児島簡裁で開かれた勾留理由開示手続きで意見陳述し、動機について「野川本部長が県警職員の犯罪行為を隠蔽しようとしたことが許せなかった」と主張していた。一方、野川本部長は7日、取材に対し「隠蔽を意図して指示を行ったことは一切ない」と否定した。
鹿児島地検は21日、国家公務員法(守秘義務)違反罪で、本田容疑者を起訴した。同容疑者は同日午後、勾留先の鹿児島中央署から保釈された。起訴状などによると、同容疑者は退職後の3月28日ごろ、県警霧島署員によるストーカー規制法違反事件の被害者の氏名などが書かれた文書を札幌市のライターに郵送し漏えいしたとされる。
〔写真説明〕記者会見で謝罪する鹿児島県警の野川明輝本部長(右から2人目)=21日午後、鹿児島市
(ニュース提供元:時事通信社)

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