2024/08/10
防災・危機管理ニュース

子どもたちが楽しく防災を学ぶための教材を研究・開発する災害モンスター研究所などは8月7日、千葉県柏市の柏の葉アーバンデザインセンターで、夏休み中の小学生を対象に「災害モンスターカード」を使ったゲームイベントを開催した。
「災害モンスター」は、災害時に発生する事象を擬人化したキャラクター。「強風のとき窓の近くに現れる『ガシャーン』、ガラスの破片を飛ばしてくる!」「地震のとき倒れてくる『グラグラブロック』、絶対近づくな!」など、それぞれに特徴的なフォルムと性質、攻略法がある。それらをデザインしたカードで遊びながら、防災意識を育もうというねらいだ。
当日は柏市内などから、小学3年生~6年生の児童約20人が参加。前方のスクリーンに次々と映し出されるモンスターの名前を瞬時に叫んで誰が一番早いかを競うゲームや、オリジナルの災害モンスターを生成AIでイラストにするワークを行った。「素早く反応したり大声を出したり、危険を想像したり、それ自体が防災訓練になる」と、災害モンスター研究所の石橋健次さんはいう。
生成AIを使ったワークでは、児童一人一人が台風や大雨の際に起きる事象をモンスターになぞらえ、特徴と攻略法を思い思いにシートへ記入。「キッチンに現れる」「爆発する」「逃げる」などのワードをAIにプロンプトして数秒後、スクリーンにキャラクターが登場するたび「怖い!」「かわいい!」「かっこいい!」と歓声をあげていた。
石橋さんは「通常の防災教育で、子どもたちが目を輝かせることはほとんどない。エンタメの力を借りるのはそのため」と指摘。「モンスターというキャラを入り口に、災害を身近に感じてほしい。危険回避の『攻略法』など、ゲームを通じて基礎的な防災力を高めてほしい」と話す。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/10/21
-
「防災といえば応用地質」。リスクを可視化し災害に強い社会に貢献
地盤調査最大手の応用地質は、創業以来のミッションに位置付けてきた自然災害の軽減に向けてビジネス領域を拡大。保有するデータと専門知見にデジタル技術を組み合わせ、災害リスクを可視化して防災・BCPのあらゆる領域・フェーズをサポートします。天野洋文社長に今後の事業戦略を聞きました。
2025/10/20
-
-
-
走行データの活用で社用車をより安全に効率よく
スマートドライブは、自動車のセンサーやカメラのデータを収集・分析するオープンなプラットフォームを提供。移動の効率と安全の向上に資するサービスとして導入実績を伸ばしています。目指すのは移動の「負」がなくなる社会。代表取締役の北川烈氏に、事業概要と今後の展開を聞きました。
2025/10/14
-
-
-
-
トヨタ流「災害対応の要諦」いつ、どこに、どのくらいの量を届ける―原単位の考え方が災害時に求められる
被災地での初動支援や現場での調整、そして事業継続――。トヨタ自動車シニアフェローの朝倉正司氏は、1995年の阪神・淡路大震災から、2007年の新潟県中越沖地震、2011年のタイ洪水、2016年熊本地震、2024年能登半島地震など、国内外の数々の災害現場において、その復旧活動を牽引してきた。常に心掛けてきたのはどのようなことか、課題になったことは何か、来る大規模な災害にどう備えればいいのか、朝倉氏に聞いた。
2025/10/13
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方