2025/12/08
防災・危機管理ニュース
クマによる人身被害が全国で最も多い秋田県で、クマの餌となるブナの実が2021年以降、1年おきに豊作と凶作を繰り返していることが8日、県林業研究研修センターの調査で分かった。センターが先月公表した26年の豊凶予報は「豊作」で、27年は凶作になることが見込まれる。
ブナの実の凶作は、クマが人里に出没する大きな要因とされる。豊作の翌年に凶作になった場合は人身被害が深刻化する傾向にあり、23年はけが人の数が過去最悪の70人、同様の状況だった今年も死者4人を含む66人(11月末時点)が被害に遭った。
同センターの和田覚環境経営部長によると、ブナの実は通常、5~7年に1回豊作になる。しかし、センターが02年から実施する結実状況調査では、豊作となったのは05年、13年、15年、18年と間隔が次第に狭まっていた。その後は22年、24年が豊作で、いずれも翌年は凶作と、豊作と凶作が隔年周期になった。
周期が変化した具体的な要因は分かっていないが、夏が猛暑になった翌年に豊作になるデータもあることから、温暖化が一因として考えられるという。
ブナの実は栄養価が高く、冬眠前のクマにとり貴重な栄養源になる。豊作の年はクマの繁殖が盛んになり個体数が増加する一方、翌年が凶作になると生存競争が激しくなり、人里に出没しやすくなる。
〔写真説明〕結実したブナの実=3日、秋田市
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
- タイ軍、カンボジアに空爆=兵士9人死傷で報復と主張
- リコー、社内完結可能な低コストAIモデルを開発=年内提供
- フュージョンエネルギー電力の売買契約を締結=国内初―ヘリカル・フュージョン
- クマの餌、再来年も不足か=ブナの実、21年から豊作と凶作交互に―周期に変化・被害最多の秋田
- キラウエア火山で噴火=3カ所同時―米ハワイ島
おすすめ記事
-
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/12/05
-
競争と協業が同居するサプライチェーンリスクの適切な分配が全体の成長につながる
予期せぬ事態に備えた、サプライチェーン全体のリスクマネジメントが不可欠となっている。深刻な被害を与えるのは、地震や水害のような自然災害に限ったことではない。パンデミックやサイバー攻撃、そして国際政治の緊張もまた、物流の停滞や原材料不足を引き起こし、サプライチェーンに大きく影響する。名古屋市立大学教授の下野由貴氏によれば、協業によるサプライチェーン全体でのリスク分散が、各企業の成長につながるという。サプライチェーンにおけるリスクマネジメントはどうあるべきかを下野氏に聞いた。
2025/12/04
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/12/02
-
-
-
-






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方