2026/05/04
防災・危機管理ニュース
【ニューヨーク時事】人工知能(AI)の発展に伴う労働市場への影響を巡り、米国の専門家や企業幹部らの議論が割れている。新たな職種が生まれて雇用が増えるとの観測がある一方、AIによる置き換えが進み、数年後に失業率が大幅上昇するとの悲観論も。産業革命以来とも言われる技術革新が労働の在り方にどのような変化を及ぼすか、注視されている。
世界経済フォーラム(WEF)は1月の年次総会(ダボス会議)で、米求人サービスのデータを基に、過去2年間で約130万件のAI関連雇用が全世界で創出されたと報告した。「AIエンジニア」や「AI責任者」と呼ばれるポジションが増え、従来のホワイトカラーやブルーカラーの区分に当てはまらない「ニューカラー」が台頭していると主張する。
AIのインフラを支える米半導体大手エヌビディアのフアン最高経営責任者(CEO)は3月、「多くの人々がAIの到来で職が失われると言うが、実際はその逆だ」と持論を展開。AIやロボットを管理する人材が必要となり、企業は雇用を増やしていくと強気の見通しを示す。
専門家の間では、労働市場全体に対するAIの影響はまだ限定的だが、若者の採用には打撃になるとの見方が強まっている。米スタンフォード大は昨年11月、ソフト開発や顧客対応などAIが代替しやすいとされる職種で、22~25歳の雇用が16%減少したとの分析を発表した。
「過去の技術的変化より大規模で、スピードも速い」。米AI開発企業アンソロピックのアモデイCEOは昨年5月、AI普及の影響で失業率が5年以内に10~20%に達する恐れがあると述べ、話題を呼んだ。これ以降、同社がAIモデルの改良や新機能を発表するたびに、仕事が奪われるとみなされた企業の株価が暴落。AIの「脅威」を知らしめる存在となっている。
ニューヨーク在住の男性弁護士は、調査やデータ収集といった伝統的に若手が担ってきた業務は「AIの方が早く、間違いも少ない」と認める。ただ、若手をAIに置き換えてしまうと「将来、事務所を引っ張れる人材が育たない」とジレンマを感じた様子だった。
〔写真説明〕マンハッタン中心部の繁華街を歩く人々=2月、米ニューヨーク(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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