2025/12/14
防災・危機管理ニュース
【北京時事】高市早苗首相の台湾有事を巡る発言をきっかけに日中関係が悪化してから1カ月が過ぎた。習近平政権は経済・軍事両面で圧力を強めており、対立の「着地点」は見えない。中国が求める発言撤回は現実的ではなく、関係修復には1年以上を要するとの観測が大勢を占める。
「14億人の中国人民は絶対に許さない」。中国外務省の孫衛東次官が金杉憲治・駐中国大使を呼び出し、こう告げたのは11月13日。同日を境に、中国側は対日姿勢を急速に硬化させた。
日中関係筋は「中国の(怒りの)温度がどのタイミングで下がるのか見えない」と話す。中国側の動きについて、外交や通商など各部門が個別に対日強硬措置を打ち出すことで上層部にアピールしていると分析。中国側にも落としどころは「見えていない」と指摘した。
中国は過去にも他国に対し、時に数年間にわたる圧力をかけ、政治的譲歩を迫ってきた。オーストラリアの場合は2020年、中国に新型コロナウイルスの起源調査を求めたことが引き金となった。中国側は報復として豪州産牛肉や大麦の輸入を制限。豪州沖を航行中の中国軍艦艇が豪軍機にレーザーを照射する事件も起きた。
豪州はこの間、世界貿易機関(WTO)に提訴して対抗したほか、日米印との連携枠組み「クアッド」などを通じて対中抑止力の強化に努めた。中豪関係が改善へ向かったのは、22年5月に豪政権が交代してからだ。
ノルウェーは10年、同国のノーベル賞委員会が中国の民主活動家・劉暁波氏に平和賞を授与したことで、中国の怒りを買った。中国はノルウェー産サーモンの輸入を規制し、両国関係は約6年間、断絶状態に陥った。韓国、カナダ、フィリピンなども中国と同様のあつれきを経験している。
12年の沖縄県・尖閣諸島国有化で日中関係が悪化した際は、14年11月に北京で行われたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて安倍晋三首相(当時)と習近平国家主席が会談。国有化から2年以上かけて関係改善の糸口をつかんだ。
中国は来年、再びAPEC議長国として11月に首脳会議を開催する。事態打開の契機になるとの見方もあるが、日中首脳の個別会談が実現するかどうかは中国の思惑次第とされる。
日本が25年中の開催を目指してきた日中韓3カ国首脳会談についても、中国側は「協力の雰囲気が損なわれた」(外務省報道官)と否定的で、実施は当面困難だ。先の日中関係筋は、日本側が「熱」を冷ます雰囲気を出しつつ「粘り強く働き掛けていくしかない」と語った。
〔写真説明〕中国の習近平国家主席=4日、北京(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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