2026/01/29
防災・危機管理ニュース
政府が、半導体や自動車の重要部品に欠かせないレアアース(希土類)調達で試練に直面している。世界最大の輸出国である中国が高市早苗首相の台湾有事発言に反発し、輸出規制の強化に踏み切る構えを見せている。調達先の多角化や国家備蓄の増強には、長い時間がかかる。産業への打撃を抑えつつ、「脱中国」を進める難しいかじ取りを迫られる。
レアアースのうち一部の鉱物は中国に偏在し、有力な代替物がない。米中貿易摩擦では、高関税を突きつけた米国に、中国はレアアース規制で対抗し、譲歩を引き出した。日本は沖縄県・尖閣諸島での漁船衝突事件で、2010年に対日輸出を事実上停止された苦い経験を持つ。
国内では官民を挙げて東南アジア諸国からの輸入を増やし、中国への依存度低減を急いできた。その結果、9割だった中国からの輸入割合は6割まで下がった。
輸出規制への備えとして、経済産業省所管の独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による備蓄の積み増しが挙げられる。日本企業がレアアースの採掘や精製を担う海外企業に出資しやすくなるよう、同機構も加わって側面支援している。
同機構は11年から双日と共に豪州の鉱山開発企業に継続的に出資。25年には、精製技術を持つ仏企業に国内企業と共同で資金を投じた。政府は同機構の財務基盤を強化し、共同出資を加速させたい考えだ。ただ、鉱山の調査や精錬工場の環境汚染対策など難しい制約があり、調達までには10年以上かかるケースもある。
国家の備蓄量は非公表だが、政府関係者は「計画的に備蓄を進めており、企業の生産が急に止まることはない」と話す。ただ、備蓄制度は短期的な供給途絶を想定しており、中国が輸出停止に踏み切れば、備蓄放出は不可避とされる。政府には中国との緊張緩和に向け、粘り強いやりとりが求められそうだ。
〔写真説明〕中国のレアアースの主要産地である江西省贛州市安遠県で建設中の工業団地=2025年11月(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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