2026/02/21
防災・危機管理ニュース
【ワシントン時事】米連邦最高裁は20日、貿易相手国・地域に対する相互関税を違憲と判断し、国際緊急経済権限法(IEEPA)は「大統領に関税を課す権限を与えていない」と断じた。トランプ大統領は相互関税などの徴収を終了する大統領令に署名。代替手段として、全世界に対する10%の追加関税を24日に発動することで、政権への打撃の緩和を図った。
トランプ氏は記者会見で、敗訴確定の判決について「非常に残念だ」と強調。最高裁に対し「この国の恥だ。憲法に忠実ではない」と非難した。
判決は9人の判事のうち6人の多数意見。憲法は関税を課す権限を議会に与えており、大統領の権限を越えていると判断した。「憲法上、大統領が関税を課すための明確な議会の権限を特定しなければならない」と説明。IEEPAには「関税」の文言はなく、「輸出入の制限」との権限では関税賦課には「不十分だ」と指弾した。
トランプ氏は相互関税の代わりに、通商法122条に基づき世界一律10%の関税を課す布告に署名した。日本に対する15%の相互関税の適用はなくなり、新たな10%が課される。国際収支の悪化を理由に150日間の措置を認める規定で、事前調査は不要。24日午前0時1分(日本時間同日午後2時1分)に発動する。牛肉など一部農産物や医薬品といった品目は対象外とした。
122条の関税で時間を稼ぐ一方、さらなる関税措置の導入に向けて通商法301条に基づく調査も命じた。主要貿易相手国を対象とし、中国やブラジルを名指しして不公正な通商慣行の是正を求めた。
最高裁判決は既に徴収した関税の還付については触れなかった。米税関・国境警備局によると、訴訟に関連した関税徴収額は昨年12月14日時点で約1330億ドル(約21兆円)。トランプ氏は返還に関して「全く議論していない」とした上で「今後5年間は法廷闘争を続けることになる」と語った。
IEEPAを根拠にした関税は相互関税に加え、合成麻薬「フェンタニル」の米国流入を理由とした中国、カナダ、メキシコへの関税で、米政権は速やかに徴収をやめる。通商拡大法232条に基づく自動車や鉄鋼・アルミニウムへの関税は継続する。
トランプ氏は既に締結した各国との貿易合意について、「多くは残る」と語り、一部が変更される可能性を示唆した。昨年には、最高裁で敗訴した場合、日本などとの間で結んだ合意を「解消しなければならないだろう」と述べていた。
〔写真説明〕20日、米ワシントンで記者会見するトランプ大統領(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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