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環境・社会問題は複雑な社会システムの中で発生する。一般に複雑なシステムは2つに分類される。1つは、システムが歯車(Cogu)でつながった構造(コグ・ワールド)であるタイプである。これは、大小さまざまな歯車がすべて連結されているような状況といえる。もし何らかの外的変化によってある歯車の回転速度が変えられたとしても、連結されているすべての歯車の回転速度が応分に変化していくなら、外的変化によってもシステムを構成する各要素自体の特性は変化せず、線形的なアプローチによって将来の動きを予測することができる。もう1つは、システムが多数の虫(Bug)のような特性を持った要素で構成されている複雑適応システム(バグ・ワールド)のタイプである。この場合、全体が相互に関わり合っていたとしても、外的変化に対する反応は個体差がありばらついた応答になる。そしてこの行動の違いがシステム全体を改変(自己組織化)していくので、その変化は非線形となり予測が困難である。

複雑なシステムの構造や特徴がわからないと、そのシステムの変化の状況を予測ができず未知数の変化として静観せざるをえないケースも想定される。社会・経済システムの中で活動する企業にとって、これらのシステムの変化が企業価値を変動させる影響(=リスクの発生)は、未知性を帯びることとなる。既知リスクは予測して対応策を準備して管理することができるが、未知リスクへの対応においては、想定外の事態が多く発生するため、変化への対応を意識した準備と態勢強化が重要となる。