第23回 製品安全報告を迅速化すること
欠陥がない場合でも、製品の重大な危険情報があれば、企業は報告せよ!
鈴木 英夫
慶應義塾大学経済学部卒業。民族系石油会社で、法務部門・ロンドン支店長代行・本社財務課長など(東京・ロンドン)。外資系製薬会社で広報室長・内部監査室長などを務め、危機管理広報・リスクマネジメントを担当(大阪)。現在は、GRC研究所代表・研究主幹、リスクマネジメント&コンプライアンス・コンサルタント(兵庫)。日本経営管理学会会員、危機管理システム研究学会会員。
2026/06/26
新 世界のリスクマネジメントの潮流
鈴木 英夫
慶應義塾大学経済学部卒業。民族系石油会社で、法務部門・ロンドン支店長代行・本社財務課長など(東京・ロンドン)。外資系製薬会社で広報室長・内部監査室長などを務め、危機管理広報・リスクマネジメントを担当(大阪)。現在は、GRC研究所代表・研究主幹、リスクマネジメント&コンプライアンス・コンサルタント(兵庫)。日本経営管理学会会員、危機管理システム研究学会会員。
2026年3月16日、米国消費者製品安全委員会(CPSC)は、シマノ株式会社およびシマノ・ノースアメリカ・ホールディングス社が「消費者に衝突事故の危険性をもたらす欠陥のある自転車用クランクセットを直ちに報告しなかった」として、1150万ドル(約17億円)の民事制裁金を支払うことに同意したと発表した。CPSCによると、シマノは2013年から2022年の間に、11速ホローテックII自転車用クランクセットが「使用中に分離する」という保証請求を数千件受け、さらに、関連する自転車転倒事故で骨折などの重傷を負った世界中の消費者から数十件の苦情が寄せられていた。この期間中、シマノはクランクセットの設計および製造工程に9回の変更を加え、結果として25箇所の改良を行い、分離の可能性を低減した。それにもかかわらず、シマノは2023年9月に68万個のクランクセットをリコールするまで、この問題をCPSC(米国消費者製品安全委員会)に報告しなかった。
米国消費者製品安全委員会(CPSC)によると、「シマノは、自転車用クランクセットに重大な製品上の危険を生じさせる、あるいは深刻な傷害または死亡のリスクを生じさせる欠陥が存在することを合理的に裏付ける情報を有していたにもかかわらず、委員会に直ちに報告しなかった」とのことである。
シマノへの民事制裁金は、CPSCによる一連の重要な執行措置の最新事例である。最近の和解事例としては、スマートウォッチメーカーのFitbitに対する1250万ドルの民事制裁金、家具メーカーのBestarに対する1600万ドルの民事制裁金、そして家電メーカーのGreeに対する9100万ドルの刑事和解(Greeの和解には幹部に対する懲役刑も含まれていた)などがある。
これらの措置は、消費者用製品の製造業者・輸入業者・卸業者・小売業者に対し、潜在的な製品リスクをCPSC(米国消費者製品安全委員会)に直ちに報告する義務があること、そして報告の遅延は重大な結果を招くことを改めて認識させるものである。
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