2026/03/19
防災・危機管理ニュース
世界的な転換点を迎えているエネルギー分野に対応する企業などの総合展示会「第25回スマートエネルギーWEEK春」(RX Japan合同会社主催)が17~19日の3日間、東京都江東区の有明ビッグサイトで開かれた。水素、洋上風力、太陽光、蓄電池、スマートグリッドなど新たなエネルギーを網羅した世界最大級とされるエネルギー総合展。業界が抱える課題に対応する技術を展示したブースなどが一堂に会した。
第25回スマートエネルギーWEEK春は、第8回サステナブルWEEK春と合同開催された。水素・燃料電池展、太陽光発電展、二次電池展、スマートグリッド展、風力発電展、バイオマス展、ゼロエミッション火力発電EXPO、脱炭素経営EXPO春、サーキュラー・エコノミーEXPO春といった9つの展示会場で構成された。
前回の2025年春の実績を100社以上上回る1600社の出展予定があり、来場者も前回より1000人以上多い7万人を見込んだ。関連するソリューションなどを展示する脱炭素経営EXPOへの出展が増える傾向にあるという。
「CO2排出量を見える化する技術など、関連する法改正や、機運の高まりに敏感な企業に向けた展示ではないか」(主催者)と説明する。
エネルギー安全保障などの観点から政府が推進する洋上風力発電では、専門人材の育成が課題となるほか、都市部での脱炭素技術として、建材一体型などとしての活用が期待されるペロブスカイト太陽電池に注目が集まり、実証検証も国内で少しずつ開始されている。一方、生成AIやデータセンターの拡大で急増する電力需要に対して、安定供給を支える系統用蓄電池やVPP(仮想発電所)などの技術にも多くの期待が寄せられている。
燃料費が高騰、相対的に下がる再エネ価格
展示会の開催期間中、会場では、各分野の専門家らによる200講演も計画された。最終日となる19日には、「PPAで加速する太陽光発電の自立と普及」をテーマに、ディスカッションが行われた。PPAとは、電力需要家の企業が事業者と契約を結んで、再生可能エネルギー発電所を設置してもらう導入手法だ。
太陽光発電協会事務局長の増川武昭氏をモデレーターに、パネリストとして、アイ・グリッド・ソリューションズ代表取締役社長の秋田智一氏、東芝エネルギーシステムズマーケティングセグゼグティブの新貝英己氏、セブン&アイ・ホールディングス執行役員サステナビリティ推進室長の宮地信幸氏が並んだ。
アイ・グリッド・ソリューションズは、民間の物流施設の屋根上などを利用して、全国1300カ所以上の太陽光発電所を管理。自家消費できない余剰電力に対して、蓄電池を導入したり、循環型電力として、系統を通じて電力小売りしたりすることで、再生可能エネルギーを有効活用する事業を展開している。
秋田氏は「独自開発したAIプラットホームを活用して、再エネを余すところなく利用できる」とPRした。
一方、セブン&アイ・ホールディングスは、国内で約2万2000店舗を展開する。2030年の店舗運営に伴うCO2排出量を、2013年比で50%削減する目標を掲げており、すでに店舗での太陽光発電や省エネ推進が奏功し、全体で36%(2024年度)の削減を実現しているという。宮地氏は「ほぼ計画通り」と自信をのぞかせた。
また、同社は、NTTグループなどと連携し、国内初となったオフサイトPPAによる電力調達にも乗り出している。
ディスカッションでは、増川氏が冒頭、世界で2024年に導入された太陽光発電量が602GWに達すると紹介した。ただ、導入量を押し上げる手法として期待されるPPAには、課題も多いとされる。
その一つ、用地の確保について、秋田氏は「適地確保はなかなか難しくなっていて、強引な開発が指摘され始めている」との現状認識を示した。ただ、「屋根上でみると、ポテンシャルが大きくある。物流や流通小売り業だけみても、まだ5万施設は残っている」と強調した。さらに、農地の上に太陽光パネルを設置する営農型についても、「制度課題を解消していけば、ポテンシャルはある」と期待を込めた。
また、需要家の立場から宮地氏は「セブンイレブンでは、約9000店舗で屋根上に設置しており、可能な店舗分は、ほぼ設置し終えている」と指摘。駐車場を活用するソーラーカーポートなどに今後、さらなる可能性があるとして、すでに数店舗で実証実験を始めているという。
一方、新貝氏は、中東情勢の悪化で燃料費が高騰している現状に言及。「相対的に太陽光など再エネの価格が下がって見える」と述べた。さらに、「制度次第で火力発電のコストが上がれば、再エネ価格の見え方が変わってくる」として、「需要家目線からしても、全体のポートフォリオで調達する電源を管理していくことが重要だ」と指摘した。
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