画像を拡大 (写真撮影:沖縄県難病相談支援センター認定NPO法人アンビシャス)

2019年の台風15号の被災地千葉県では、長引く停電が問題になりました。また、北海道胆振東部地震後のブラックアウトを覚えている方もいらっしゃると思います。災害時に停電が起きると、エレベーターやエアコンが使えないだけでなく、トイレの水が流せない、お風呂を沸かせない事例もありました。また、石油ストーブもファン式で使えないなど、想像していた以上に、初動に電気が必要なものがあったという声が挙がりました。そのため家庭の備蓄としても電源を確保したいという声がかつてなく高まっている昨今です。

これについては、以前、クルマからの給電方法について記事にしました。

クルマから電気を得る方法、V2Hも!
https://www.risktaisaku.com/articles/-/20141

今回は、最近アウトドアでも人気になっているポータブル電源についての話題です。

「ポータブル電源」と言われて、リスク対策.com読者の方だったら「あれね!」と分かっていただけるでしょうけど、一般にはまだあまり知られていないかもしれません。防災なんて初めてと言う方に講演するときは、「スマホのモバイルバッテリーのもっと容量が大きいもの」という説明をするようにしています。

画像を拡大 わが家のポータブル電源。ソーラーパネルとつないでいます(右:自家製、左:市販のもの)(写真撮影:あんどうりす)

スマホのモバイルバッテリーは、USB接続で充電しますよね。ポータブル電源は、USBでスマホが充電できるだけでなく、パソコンのフル充電も可能です。さらにACコンセントもあります。機種によっては、冷蔵庫もエアコンも洗濯機も動かせます。私はドライヤーも使ってみましたが、コンセント感覚で普通に使えました。

家でいつも使っている感覚で日常使いもできて、災害時にも使えるという意味では、ポータブル電源はありがたい存在です。

そう思うのは、医療ケアを必要とされている方も同じです。停電で人工呼吸器が止まると命に関わります。後ほど詳しくご紹介する沖縄県難病相談支援センター認定NPO法人「アンビシャス」(以下、アンビシャス)によると、介助をされている方に最近人気なのが、このポータブル電源だということです。

発電機タイプのものは長時間使えることがメリットなのですが、室内で使うと一酸化炭素中毒になります。室外でしか使えません。とはいえ、暴風雨で停電した際、外に出て発電するのは危険が伴います。また、ガソリンの保管の問題やスターターを引っ張るのに力やコツが必要です。

日本では発電所扱いになって登録が必要なレベルのものであっても、海外ではオープンガレージがあったり、庭も広く音も気にならないことや、芝生を刈ったりDIYする際に発電機を日常的に使っているので、気軽にホームセンターで売られていることを紹介しました。

赤毛のアンの島の災害対策7選
https://www.risktaisaku.com/articles/-/21418

事情が異なる日本では、発電機よりポータブル電源が人気というのは分かる気がします。