2026/03/20
防災・危機管理ニュース
日米両政府は、重要鉱物の「貿易圏」構築や海洋鉱物資源の開発協力で一致した。安値攻勢で握った圧倒的なシェアを武器に、影響力を増す中国に対抗。最低取引価格の導入を検討し、同志国で生産・供給する体制の構築を目指す。自国優先主義を強める米国の主導の下で、各国が結集できるかが課題となりそうだ。
日米は共同文書で、レアアース(希土類)などの重要鉱物を「産業経済にとって不可分な戦略的資産」と位置付けた上、「非市場的慣行の結果生じる歪曲(わいきょく)により、サプライチェーン(供給網)は経済的威圧を含む途絶に対して脆弱(ぜいじゃく)なものとなった」と指摘した。レアアースの精錬で9割のシェアを持つ中国が念頭にあるのは明らかだ。
日米は中国依存の危うさに直面している。第2次トランプ政権は当初100%を超える対中関税措置を打ち出したが、レアアースの輸出規制を強化する対抗措置を前に税率を引き下げた。日本も昨年11月の高市早苗首相の「台湾有事発言」を理由に、レアアース禁輸措置を突き付けられた。
こうした中、日米は首脳会談に合わせて複数国間の貿易協定実現に向けた行動計画を策定。供給網強靱(きょうじん)化の方策を検討するとともに、中国の不当廉売を背景に各国が鉱山開発から撤退した経緯を踏まえ、中国産鉱物への高関税も視野に入れる。
深海鉱物資源の開発に関する日米作業部会も設け、レアアース泥の試験採取に成功した南鳥島(東京都小笠原村)周辺海域など、太平洋に眠る鉱物資源の生産、開発で協力する可能性を探る。海洋進出を繰り返す中国をけん制する狙いもある。
ただ、シェアで優位に立つ中国の反発も想定される。友好国すら高関税措置の対象としてきた米国から距離をとる国々もあり、供給網の再構築は一筋縄ではいきそうもない。
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
令和8年熊本地震 猛暑の被災地で熱中症を避ける
最大震度7を記録した令和8年熊本地震。熊本県内では400超の避難所が開設され、約9千人が避難している(29日時点)。真夏の避難生活は、熱中症の危険性を確実に高める。しかもこれからは、猛暑・酷暑下での復旧活動が本格化し、多くの人々が被災地で活動する。現地で熱中症をどう防いだらいいか。熱中症と災害医療に詳しい、さいたま赤十字病院高度救命救急センターの席 望医師に対策を聞いた。
2026/07/30
-
令和8年熊本地震 広がるデマ、どう見分ける?SNSとの向き合い方
28日に発生した最大震度7を記録した熊本地震では、早くも豪華寝台列車「ななつ星」が脱線したなどのデマ情報が広く拡散された。災害のたびに、広くSNSで拡散される情報にどう向き合えばいいか。デジタル空間の情報分析を専門とする Japan Nexus Intelligence の竜口七彩氏に聞いた。
2026/07/29
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/07/28
-
-
事例研究で有事に備え、組織の体質改善で形骸化を防ぐ
組織レジリエンスの強化やサイバーセキュリティーの向上、サプライチェーンの強靭化など、危機管理やリスク管理担当者が関与する領域は年々拡大している。変化する社会状況にあわせ、担当者はどのように学び、備え、対応することが求められるのか。森総合研究所代表の森健さんは、自治体と企業で危機管理担当者としての経験を積み、現在はコンサルタントとして、企業や団体の危機管理の支援を手がけている。自身の経験を踏まえ、危機管理の担当者にどうアドバイスしているのか、話を聞いた。
2026/07/27
-
-
-
-
-







※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方