日米両政府は、重要鉱物の「貿易圏」構築や海洋鉱物資源の開発協力で一致した。安値攻勢で握った圧倒的なシェアを武器に、影響力を増す中国に対抗。最低取引価格の導入を検討し、同志国で生産・供給する体制の構築を目指す。自国優先主義を強める米国の主導の下で、各国が結集できるかが課題となりそうだ。
 日米は共同文書で、レアアース(希土類)などの重要鉱物を「産業経済にとって不可分な戦略的資産」と位置付けた上、「非市場的慣行の結果生じる歪曲(わいきょく)により、サプライチェーン(供給網)は経済的威圧を含む途絶に対して脆弱(ぜいじゃく)なものとなった」と指摘した。レアアースの精錬で9割のシェアを持つ中国が念頭にあるのは明らかだ。
 日米は中国依存の危うさに直面している。第2次トランプ政権は当初100%を超える対中関税措置を打ち出したが、レアアースの輸出規制を強化する対抗措置を前に税率を引き下げた。日本も昨年11月の高市早苗首相の「台湾有事発言」を理由に、レアアース禁輸措置を突き付けられた。
 こうした中、日米は首脳会談に合わせて複数国間の貿易協定実現に向けた行動計画を策定。供給網強靱(きょうじん)化の方策を検討するとともに、中国の不当廉売を背景に各国が鉱山開発から撤退した経緯を踏まえ、中国産鉱物への高関税も視野に入れる。
 深海鉱物資源の開発に関する日米作業部会も設け、レアアース泥の試験採取に成功した南鳥島(東京都小笠原村)周辺海域など、太平洋に眠る鉱物資源の生産、開発で協力する可能性を探る。海洋進出を繰り返す中国をけん制する狙いもある。
 ただ、シェアで優位に立つ中国の反発も想定される。友好国すら高関税措置の対象としてきた米国から距離をとる国々もあり、供給網の再構築は一筋縄ではいきそうもない。 

(ニュース提供元:時事通信社)