2026/05/02
防災・危機管理ニュース
【ワシントン時事】米イスラエルとイランの紛争に伴うエネルギー価格上昇が米国の家計を圧迫している。商務省が4月30日に発表した重要指標は、インフレの急加速と個人消費の減速を浮き彫りにした。米経済は底堅さを保っているものの、紛争が長引けば景気が冷え込むのは必至。国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費の動向は、今秋に中間選挙を控えるトランプ政権の先行きも左右しかねない。
連邦準備制度理事会(FRB)が重視する物価統計、個人消費支出(PCE)物価指数の3月の伸び率は前年同月比3.5%と、前月(2.8%)から大幅に上昇した。紛争が始まった2月末からインフレ圧力が強まった形で、2023年5月以来の高水準を付けた。
背景には、世界の原油輸送の要衝ホルムズ海峡封鎖に伴うエネルギーショックがある。供給停滞への懸念から米原油先物相場は1バレル=100ドル超で高止まり。パウエルFRB議長は「エネルギー価格はまだピークに達していない」と身構える。金融大手バンク・オブ・アメリカは、年末まで90ドル近辺が続くと分析している。
車社会・米国の生命線であるガソリンの価格も跳ね上がった。全米自動車協会(AAA)によると、ガソリン価格は1ガロン(約3.8リットル)当たり4.3ドル(約680円)と、紛争開始直前と比べて4割強上昇した。ガソリン高は心理的な負担が重く、旅行などの手控えにつながる。
米経済の屋台骨である個人消費にはやや陰りもみられる。1~3月期の実質GDP速報値は、季節調整済み年率換算で前期比2.0%増と、伸びは前期(0.5%増)から急加速。人工知能(AI)向けを中心に設備投資が全体をけん引した一方、個人消費は1.6%増と前期(1.9%増)から鈍化した。
ガソリンや光熱費の価格上昇は家計の購買力を押し下げ、衣類や外食など「必需品以外の消費が制約される」(エコノミスト)可能性が高い。市場では、エネルギー高の影響は4~6月期に本格化するとの見方が広がる。中間選挙を控えたトランプ大統領に対する逆風は、一段と強まりかねない。
〔写真説明〕米南部テキサス州のガソリンスタンド=4月29日、ヒューストン(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/06/16
-
-
企業の副業解禁とコンプライアンス対策を支援
企業の副業解禁の流れが加速している。従業員は本業以外の労働を増やすことで、収入増が見込める。従業員が副業で獲得したスキルで、本業への貢献も期待できる。企業側にとっても、副業は採用活動に活用できる。業務発注から関係を深めてからの転職や採用後のミスマッチを防止する効果がある。一方で、副業の一般化に伴い、同業他社での競業や情報漏えい、ブランド毀損、過重労働など、副業リスクは増加している。フクスケ(東京都千代田区)は、企業の副業制度の運用支援に加え、副業コンプライアンス向上に関するデータを分析し、リスク診断サービスも提供している。代表取締役社長の小林大介さんに、企業の副業解禁がもたらす影響について話を聞いた。
2026/06/12
-
-
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/06/05
-
-








※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方