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これまで企業は、市場メカニズムに組み込まれた財務要素に基づき、リスクとリターンに関わる指標を重視して経営を行ってきた。ただ、リスク・リターンの評価軸のみでは、現時点で市場評価されていない非財務要素が無視されてしまう。社会的価値観が変化し、企業の社会的責任が拡大するなかで、企業活動と社会課題との関係性を強く意識することが必要となろう。これは、企業が持続的成長を意識し、新たな事業領域を開拓する観点からも重要である。これらの点から、社会課題のビジネス化は、企業が社会の発展と同期して持続的成長を実現してゆくためにサステナブル経営の柱の一つとして位置付けられるものといえよう。今後企業にとって、非財務要素に関心を払い、中長期的時間軸の下で社会的価値の向上と経済的価値の向上の両立を図ってゆく取り組みが必要となる。

企業は、このような意味から、持続的成長を実現するために現在の経営戦略、経営管理を見直してゆかなければならなるまい。従来の財務要素を中心としたリスク・リターンの評価軸に加え、社会的インパクトといった新たな評価軸を経営管理の中に持ち込み、社会システムとの接点のなかで、市場メカニズム外にあるビジネス機会についても積極的に探索してゆく必要があろう。それは、戦略推進に伴い非財務要素に起因する不確実性を経営管理に取り込むことを意味する。さまざまな価値観を持つ多様なステークホルダーの利益を考慮し、新たな枠組みや基準を理解し、自身の戦略や管理を能動的に変えてゆくこととなる。