いよいよ防災庁が2026年11月2日に誕生する。

米連邦緊急事態管理庁(FEMA)長官として2009年から2017年まで在任したクレイグ・フューゲート氏が、日本で発足する防災庁への期待と提言をリスク対策.comに特別寄稿した。同氏は、2011年のジョプリン竜巻、2012年のハリケーン・サンディ、2013年のムーア竜巻、2016年のルイジアナ洪水など、大規模災害における連邦政府の対応を統括したほか、500件を超える大統領災害宣言への対応を通じてFEMA改革を推進した。また、「全員参加型防災(Whole Community)」の理念を打ち出し、地域社会全体による防災力強化を進めたことで知られる、米国を代表する危機管理・防災の専門家である。

私はこれまで長年にわたり日本を訪れ、省庁や政党の垣根を越えて多くの関係者と意見を交わす機会に恵まれてきました。皆さんが一様に向き合っていたのは、「日本はFEMAのような組織をつくるべきか」という問いです。この対話を私が毎回大切にしてきたのは、問いを発する人々が、他国のモデルをそのまま持ち込むのではなく、いかに日本に合った形にするかを真剣に考えていたからです。そして今年11月、この長い対話がついに一つの結実を迎えます。日本は、内閣の直轄の下、専任の大臣と独自の予算を持つ「防災庁」を発足させるのです。FEMAを率い、この道に40年携わってきた者として、私はこれを心から喜ばしく思います。なぜこれが確かな前進なのか、そしてその背景にある歴史ゆえに、この節目がどれほど大きな意味を持つのか、読者の皆さんにお伝えしたいと思います。

歩んできた道のり

日本の現行体制の原点は、2001年に遡ります。中央省庁再編により、内閣府に防災担当大臣(内閣府特命担当大臣〈防災〉)が置かれました。この改革自体が、一つの災害への対応から生まれたものでした。1995年の阪神・淡路大震災です。6400人を超える方々が犠牲となったこの震災は、大規模災害が複数の自治体を同時に襲ったとき、省庁間の連携をどう機能させるかについて、日本に厳しい教訓を残しました。日本は各省庁の局長級で構成する緊急参集チームを設け、その後、内閣危機管理監のポストを創設しました。この流れは、私たちの職業に携わる者なら誰もがよく知るものです。災害が連携の空白をあらわにし、思慮深い政府がそれを埋める仕組みを新たにつくる。日本は四半世紀にわたってそれを着実に積み重ね、一歩ごとに体制を強くしてきました。

この25年間、日本の防災行政を担ってきたのは、内閣府の防災担当部局です。各省庁を招集し、調査チームを派遣し、大規模災害時には首相を本部長とする対策本部を立ち上げる。それは、各省庁がそれぞれの権限と使命を重んじる——それ自体は当然のことです——体制の中で機能する調整機関であり、強い組織群を共通の目的の下にまとめるという、どの国も直面する課題に向き合ってきました。日本はこれを、多くの国よりも規律をもって成し遂げてきたのです。