2020/03/09
DX時代のデジタルリスク
遅れているデジタルリスク管理
さまざまなデジタルリスクが存在する中で、組織がこのリスクを受け入れて、デジタル社会でのビジネスを遂行し、市場機会を積極的に取り入れていく必要があります。では、このデジタルリスクを管理することに取り組み始めている組織はどの程度、リスクを認識しているのでしょうか。

多くの組織が、デジタルリスクを管理するための第一歩を踏み出しています(【グラフ2】参照)。まずは新たなリスク(あるいは増大するリスク)に関して認識を高めるアクション(フィッシングメールの訓練や取引先に与えるシステムアクセス権限の見直しなど含む)を取っている組織が多くあります。さらに、考えられるリスクを評価・分析しているというフェーズから、リスクの優先順位付けまでしている組織まで半数以上が何らかの取り組みをしていると考えられます。しかし、先の【グラフ1】に示した、今後2年間でリスクプロファイルの拡大を見込んでいる組織が88%もいることを考えると、なんらかの取り組みをしている組織は十分ではないと推察されます。
サイバーリスクやサプライチェーンとの情報のやり取りに絡むリスクなど、DXによってさまざまなデジタルリスクを考慮する必要がありますが、これらはいずれも今に始まったわけではありません。緩やかなDXの流れの中で、対応が後手になっていたデジタルリスクを、古くて新しいリスクとして捉え、今こそ見直す時期に来ているのではないでしょうか。
次回から、組織が認識するいくつかのデジタルリスクのそれぞれにフォーカスして、何を考えるべきで、どのように対処していったらよいのかを解説していきます。
- keyword
- デジタルトランスフォーメーション
- デジタルリスク
DX時代のデジタルリスクの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/09
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/09/05
-
-
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方