経済産業省と総務省は「DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブックver1.2」を策定し公表した。両省は、2020年8月「企業のプライバシーガバナンスモデル検討会」(座長:佐藤一郎国立情報学研究所教授)において、企業がプライバシーガバナンスの構築のために取り組むべきことを取りまとめた「DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブックver1.0」を策定し、2021年7月には事例の充実を図りver1.1を公開した。その後、各方面から反響がある中で、引き続きより実践的な企業の具体例を充実させて欲しいという声を受け、今回、ver1.2を取りまとめたという。企業がプライバシーガバナンスを構築する上で参考となる具体的な事例を追加したほか、個人情報保護法改正に併せて既存表現や参考文献等について更新している。

「プライバシーガバナンス」とは、プライバシー問題の適切なリスク管理と信頼の確保による企業価値の向上に向けて、経営者が積極的にプライバシー問題への取り組みにコミットし、組織全体でプライバシー問題に取り組むための体制を構築し、それを機能させること。社会全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、イノベーションの創出による社会課題の解決とともに、プライバシー保護への要請も高まっている。今後、企業にとってプライバシーに関わる問題に能動的に取り組むことは、コストではなく、商品やサービスの品質向上のためであり、経営戦略として捉えることで、消費者からの信頼の獲得につながり、企業価値向上につながると考えられている。