厚生労働省は20日、うつ病など精神障害の労災認定基準の見直しを議論する有識者検討会を開き、報告書案を示した。近年、顧客からの悪質なクレーム「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が問題となっていることを踏まえ、労災認定の際の基準を明確化した。案は了承され、厚労省は今後パブリックコメント(意見公募)などを経て、秋にも通達を改正する見通しだ。
 精神障害を労災に認定するかどうかは、原因となり得る具体的な出来事を列挙した「業務による心理的負荷評価表」に基づき判断される。
 見直しでは、評価表に「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」場合を原因となり得る出来事として明記。心理的負荷が強い例として、人格や人間性を否定するような言動を反復・継続して受けることなどを挙げ、カスハラが労災の原因となり得ることを明確にした。 

(ニュース提供元:時事通信社)