2023/07/08
防災・危機管理ニュース
新型コロナウイルスの今夏の感染拡大を懸念する声が高まっている。感染症法上の位置付けが「5類」に移行する直前の数値と比較すると、直近の医療機関1カ所当たりの平均患者数は約4倍に増加した。新型コロナは毎年夏に猛威を振るっており、専門家は「第9波」に向けた対策を呼び掛けている。
厚生労働省によると、全国約5000の医療機関から6月26日~7月2日に報告された患者数は1カ所当たり7.24人。移行直前だった5月1~7日の1.80人(参考値)から、約4倍に増加した。沖縄県は都道府県別で最多となる48.39人で、第8波のピークだった31.85人(同)を超える感染拡大に見舞われている。
2020年1月の新型コロナの国内初確認後、お盆休みなどで人と人との接触機会が増え、冷房で換気しにくい夏になるたびに、感染が流行してきた。第2波は20年8月にピークとなり、東京五輪開幕直前の21年7月から始まった第5波は、入院できず自宅で亡くなる人が続出。22年7月の第7波では、免疫を回避しやすいオミクロン株のBA・5が猛威を振るい、翌月は1日当たりの新規感染者数が26万人を超え過去最多となった。
人口当たりの感染状況には地域差も見られる。西日本で感染者が多かった第7波と比べ、第8波は北海道や東北地方など寒冷地が目立った。6月26日~7月2日の患者数は最多の沖縄に続いて、鹿児島や熊本、宮崎が多く、今後西日本を中心に感染が広がる可能性もある。
日本医師会の釜萢敏常任理事は、「全国的に感染者が急増しているわけではなく、徐々に増えているのが今回の特徴だ」と指摘。一方、感染規模の予測は難しいとした上で、「夏に向けて人と人の接触機会が多くなる。リスクの高い人と会う可能性がある場合は慎重な対応をしてほしい」と話している。
(ニュース提供元:時事通信社)
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