ロシア・モスクワの新都心「モスクワ・シティ」の高層ビルで7月30日と8月1日に起きたドローン墜落に関し、現地メディアは「3日間で2回目」と頻発した点を強調した。経済官庁が入る高層ビルが連続して被害を受け、プーチン政権の衝撃は大きいとみられる。
 「(ロシアは)本格的な戦争を急に身近に感じるようになった。戦争は近く首謀者の領土に最終的に移る」。ウクライナのポドリャク大統領府顧問は1日、X(旧ツイッター)でこう警告した。
 ゼレンスキー政権は公式に関与を認めていないが、ポドリャク氏は「今後ロシアで起こることはすべて客観的な歴史的プロセスだ。未確認の無人機、荒廃、内戦、戦争が増えることになる」と不安をあおった。
 これに絡み、ロシアのザハロワ外務省情報局長は1日、2001年の米同時テロと比較し、軍事施設ではなく民間施設に損害を与えるという「方法が同じだ」と持論を展開。「同じ光景が繰り返されている」と主張した。
 プーチン政権の立場には揺らぎが見られ、ペスコフ大統領報道官は7月30日、「(ゼレンスキー)政権の失敗を背景とした絶望的な行為のようなもの」とドローン攻撃を矮小(わいしょう)化しようとしていた。しかし、1日は「脅威を目の当たりにしている」と警戒を隠さなかった。
 報道規制により主要テレビはドローン攻撃に沈黙している。一方で、ロシア国営タス通信は、対空防衛システムを担当する人物の証言として、1日のドローンは「ウクライナ領内から飛来した」と報じた。 
〔写真説明〕ロシア・モスクワの新都心「モスクワ・シティ」で、ドローン攻撃により被害を受けたビル=7月30日(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)