農林水産省は8日、有事の食料安全保障に関する有識者検討会で、食料の供給が不足する恐れが生じた場合に首相をトップとする政府対策本部を設置する案を示した。同本部は、食料不足の深刻度に応じて2段階で緊急事態を宣言し、民間事業者に対する生産指示など供給確保策を講じる。
 農水省案では、まず世界の主要産地で干ばつや冷害といった供給不足のリスクが高まった際に、首相直轄の政府対策本部を設置する。コメや小麦といった重要品目の供給が2割以上減少するなどの目安に到達すれば、第1段階の供給対策を宣言。民間事業者に対して輸入・生産や出荷調整を指示する。
 さらに、1人当たりの供給熱量が1日1900キロカロリーを下回る場合を「極めて深刻な段階」と定義。第2段階として農家にカロリーの高い作物への生産転換を指示したり、食料の配給を実施したりする。 

(ニュース提供元:時事通信社)