東京都は20日、客が店員や従業員らに過度な要求や迷惑行為などを行う「カスタマーハラスメント(カスハラ)」を防止するため、全国初となる条例を制定する方針を固めた。条例案にはカスハラの禁止を明記し、罰則は設けない方向。具体的な内容や制定時期についてはさらに検討する。
 小池百合子知事は同日の都議会定例会の施政方針演説で、「カスハラが都内の企業でも深刻化している。東京ならではのルール作りが求められている」と述べた。
 カスハラの問題を巡り都は昨年10月、有識者や経済団体の実務者らによる検討部会を設置。今年2月上旬に開かれた会合で、都が罰則規定なしの「理念条例」をつくることで全員の意見が一致し、実効性を確保するため、各業界ごとにガイドラインを策定する必要があることでも合意していた。 

(ニュース提供元:時事通信社)