【ワシントン、北京時事】14日にスイス・ジュネーブで開かれた人工知能(AI)に関する米中の政策対話は、互いに懸念を伝えるなど、立場の違いが浮き彫りになった。両国高官が出席し、協議継続を確認したものの、議論は平行線だったもようだ。
 米中両政府によると、中国側は会合で「規制や抑圧に対する厳正な立場」を表明し、米国による先端半導体などの輸出規制をけん制。一方、米側は「中国などによるAIの悪用」への懸念を示した。スパイ活動などへの利用が念頭にあるとみられる。
 AI政策対話は昨年11月の米中首脳会談で、枠組みを構築することで合意。今回の会合はAIのリスク管理などがテーマで、米側は「率直で建設的な意見交換」だったと一定の評価をした。
 台湾海峡や南シナ海を巡る緊張が続く中、米中は政府間の対話を続けており、4月にはイエレン財務長官とブリンケン国務長官が相次いで訪中した。
 ただ、米国は今月14日に電気自動車(EV)や半導体などの対中制裁関税を大幅に引き上げると発表。中国は反発しており、対立が激化する可能性もある。 
〔写真説明〕中国(写真左、AFP時事)と米国の国旗

(ニュース提供元:時事通信社)