政府は17日、電気や金融、鉄道などの「基幹インフラ」に関する重要設備を企業・団体が導入する際、国が事前審査する制度の運用を始めた。経済安全保障の一環で、基幹インフラへのサイバー攻撃や妨害行為を未然に防ぐ狙いだ。
 2022年に成立した経済安全保障推進法に基づく措置で、政府は電力の需給制御や銀行の預金取引、鉄道の運行管理などを行うシステムを特定重要設備に指定。現時点で14業種の約210事業者に対し、導入する重要設備を製造したメーカーの名称や住所、役員の氏名や大株主などの届け出を義務付けた。対象業種には今後1年半以内に港湾運送が追加される。
 外部から妨害行為を受けるリスクの軽減策も報告させ、サイバー攻撃などに利用される恐れが大きいと判断した場合、計画変更や導入中止を事業者に勧告。従わない場合は命令する。
 高市早苗経済安保担当相は17日の閣議後記者会見で「基幹インフラ役務の安定的な提供を確保する上で重要な制度だ」と意義を強調した。 

(ニュース提供元:時事通信社)