2024/06/22
防災・危機管理ニュース
【サンパウロ時事】ブラジル南西部に広がる世界最大の湿原で、一部が世界遺産に登録されているパンタナルが、過去最悪ペースで火災に見舞われている。雨不足で火の手が上がりやすくなっており、本格的な乾期を前に警戒感が高まっている。
ブラジル国立宇宙研究所によると、6月にパンタナルで発生した火災は20日までに1729件で、同月として過去最悪だった2005年の約4倍となった。今年1月から6月20日までの累計でも2628件に達し、年間で最多を記録した20年を上回るペースとなっている。
日本の本州に匹敵する約20万平方キロのパンタナルは、雨期の川の氾濫により肥沃(ひよく)な土地を形成。動植物の楽園で、ジャガーやバクなど希少種も生息しているが、火災の頻発によって、サルやワニ、ヘビなどが多数犠牲となっている。
パンタナルを抱えるマトグロソドスル州政府は「雨量が改善するという予報はない」と指摘。乾燥状態が続くと警告する。
ブラジルは近年、各地で異常気象が相次いでいる。昨年に北部アマゾン川流域で記録的な干ばつが発生。今年は南部リオグランデドスル州で豪雨に伴う大規模な洪水が起きた。
〔写真説明〕21日、ブラジル南西部の湿原パンタナルで、火災が起きた一帯を調べる消防隊員ら=マトグロソドスル州消防当局提供(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
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