2025/04/12
防災・危機管理ニュース
激しいせきが続く百日ぜきが流行している。今年、全国の医療機関から3月30日までに報告された累計患者数は4771人で、昨年1年間の4054人を上回った。就学前の小児や小・中学生を中心に広がっているとみられ、専門家は「ワクチンの任意接種も検討してほしい」と訴える。
百日ぜきは、百日ぜき菌が引き起こす感染症。せきやくしゃみの飛沫(ひまつ)を吸い込むなどして感染し、風邪のような症状が出た後にせきがひどくなる。乳児が感染すると重症化し、命に関わることもある。
18年から全患者数を把握することになり、同年と19年はいずれも1万人を超えた。新型コロナウイルスの流行が始まった20年以降減少し、21年と22年は1000人を下回ったが、翌年から再び増加。今年3月24~30日の患者数は18年以降、1週間当たり最多の578人に上る。
予防にはワクチン接種が有効だ。百日ぜきを含む5種混合ワクチンは公費による定期接種の対象で、生後2カ月から1歳半ごろまでの間に計4回接種する。ただ、免疫効果は弱まるため、日本小児科学会は、就学前の小児や小学校高学年での任意接種を推奨している。
治療には抗菌薬が使用され、服用から5日後に菌はほぼ消えるとみられている。だが、抗菌薬の効きにくい耐性菌が大阪府や鳥取県などで確認され、同学会は注意を呼び掛けている。
国立健康危機管理研究機構の鈴木基・感染症疫学センター長は「耐性菌と感染拡大の関係はまだ分からないが、流行が続く可能性がある。ワクチンを打つことが最大の予防策」と話している。
(ニュース提供元:時事通信社)
- keyword
- 百日ぜき
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/12/09
-
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/12/05
-
競争と協業が同居するサプライチェーンリスクの適切な分配が全体の成長につながる
予期せぬ事態に備えた、サプライチェーン全体のリスクマネジメントが不可欠となっている。深刻な被害を与えるのは、地震や水害のような自然災害に限ったことではない。パンデミックやサイバー攻撃、そして国際政治の緊張もまた、物流の停滞や原材料不足を引き起こし、サプライチェーンに大きく影響する。名古屋市立大学教授の下野由貴氏によれば、協業によるサプライチェーン全体でのリスク分散が、各企業の成長につながるという。サプライチェーンにおけるリスクマネジメントはどうあるべきかを下野氏に聞いた。
2025/12/04
-








※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方