2026/03/13
防災・危機管理ニュース
日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、防衛省はドローン数千機を活用した沿岸防衛体制「シールド」の構築を目指している。運用には訓練環境や生産基盤など克服すべき課題も多く、自衛隊は世界的に進む「新しい戦い方」への対応を急ぐ。
シールドは敵艦艇の迎撃や情報収集、レーダーサイト防衛などを担う10種類以上のドローンを組み合わせ、侵攻を試みる敵を多層的に食い止める構想。同省は2026年度予算案に約1000億円を計上し、27年度中の実現を目指す。
ウクライナや中東などでの紛争で大量投入されたドローンは、「戦争の在り方を変えた」とされる。日本周辺でも近年、中国機とみられる機体が飛来し、自衛隊機が緊急発進(スクランブル)することも少なくない。ある幹部は「従来型の戦い方では置いていかれる」と危機感をあらわにする。
ただ、戦力化には課題も多い。機体との通信では「テレビや民間人のスマートフォンなどに影響を及ぼさないよう周波数帯を調整しなければならない」(陸上自衛隊幹部)。防衛省担当者は「訓練場所や方法は工夫が必要」と話す。
1月には陸自霧島演習場(宮崎、鹿児島両県)で偵察用の機体が訓練中に強風にあおられ、近隣の畑に墜落する事故が発生。陸自は昨年3月末時点で約1200機を保有しているが、シールドでの大量導入を見据え、さまざまな機種を操縦できる人材の養成も急務という。
有事に備え、国内の生産基盤整備も欠かせない。同省によると、ドローンは技術の進歩や有事の消耗が激しく、ウクライナでの生産数は24年に約230万機に上った。
小泉進次郎防衛相は省内の会議で「早期かつ大量に調達し、改修・改善できる基盤を作ることは、抑止力強化の観点からも重要」と強調。「企業側は日本での需要予測が立てづらい」(同省関係者)との事情もあり、同省は有事に戦闘を継続できる能力を確保するため、防衛産業や研究機関との連携を強化する方針だ。
〔写真説明〕展示されるウクライナの攻撃ドローン「バンパイア」=2月7日、キーウ
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
防災は面白くないと広がらない
地震が起きたとき、スマートフォンに通知された情報を頼りに避難を判断することが多いだろう。緊急地震速報の情報から、いまどのように動くべきかを判断できる、そんな身近な危機管理を習慣づけた1 社が、アールシーソリューション(東京都新宿区)だ。2010 年に提供開始したスマートフォンアプリ「ゆれくるコール」は、緊急地震速報を受信できるアプリとして多くのユーザーが利用している。代表取締役の栗山章さんは、数多くのユーザーに防災の重要性を広めてきた一方で、ビジネスとして成り立たせる難しさにも直面してきたという。これまでのサービス開発の経緯や、防災ビジネスへの価値観を聞いた。
2026/09/09
-
被災施設への再入場判断「戻ってはいけない」では解決しない避難後の問題
大地震が発生し、安全な場所へ避難して一息つくと、人々には「ひとまず危険のピークは過ぎた」という根拠なき安心感が芽生える。そして、さまざまな理由で「避難してきた場所に戻りたい」といった気持ちが生じる。しかし、被害がどの程度なら戻ってよいのかについての明確なルールや事例は、どこを探してもあまり見当たらない。 国には応急危険度判定という仕組みや、施設管理者が建物を緊急点検するための指針などもある。が、これらは避難直後の「戻りたいニーズ」に応える仕組みではない。ここに、避難直後の「再入場」という古くて新しい問題がある
2026/09/09
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/09/08
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/09/07
-
-
-
暗黙知を形式知へ、10年の徹底改善が生きた
熊本市の工務店・新産住拓株式会社(小山英文社長)は、2016年の熊本地震や近年相次ぐ豪雨災害を通じて災害対応を磨き上げてきた。発生当日は、約3割の社員が定休日で社長も不在という条件下にもかかわらず、地震発生から50分で社員の安否確認をおおむね完了し、2時間後にはホームページや顧客専用サイトで被害受付を開始した。
2026/08/24
-
-
-





※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方