2025/06/07
防災・危機管理ニュース
東京電力福島第1原発事故を巡る株主代表訴訟では、旧経営陣に13兆円余りの支払いを命じた一審判決が取り消されたが、巨額の賠償命令が出たケースはこれまでもあった。実際に役員個人が全額を支払うのは難しいため、企業側が費用を負担して「会社役員賠償責任保険」に加入する動きが広がっている。
大和銀行(現りそな銀行)ニューヨーク支店元行員による巨額損失事件の訴訟では2000年、一審大阪地裁が当時の取締役11人に計7億7500万ドル(当時約829億円相当)の賠償を命令。二審大阪高裁で和解が成立し、2億5000万円まで減額された。
蛇の目ミシン工業(現ジャノメ)の損失事件を巡る訴訟では、元役員5人に対する計約583億円の賠償命令が08年に最高裁で確定した。同社広報によると、元役員らの支払い能力に限界があり、回収額は計1億円余りにとどまった。現在の取締役らは「役員保険」に加入し、同社が保険料を負担しているという。
東京海上日動火災保険が22年に公表した上場企業3849社を対象とした調査によると、約8割が役員保険に加入。ほとんどの会社が費用を全額負担した。
東京海上日動によると、支払限度額の引き上げなど契約内容を見直す企業が増えている。ただ、多くの保険は上限額が10億円にとどまっているという。
(ニュース提供元:時事通信社)
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