2018/03/09
防災・危機管理ニュース

NTT東日本は1日、2011年の東日本大震災から7年が経とうとしている11日を前に、災害時の重要な通信インフラである「公衆電話」の現状をはじめ、災害時における重要性や認知度を取りまとめた。災害時用公衆電話の設置増加や、小学生の85%が公衆電話を使ったことがない、知らないという調査結果から、利用方法をイラストで伝えるなどの啓発活動についても報告している。

利用機会が減少しているものの、災害時における重要な通信手段である公衆電話。災害等の緊急時では電話が混み合い、通信規制が実施される場合があるが、公衆電話は通信規制の対象外として優先的に取り扱われる「災害時優先電話」となる。公衆電話は通信ビルから電話回線を通じて電力の供給を受けているため、停電時でも硬貨利用であれば、平時と同様に利用ができる。実際に、東日本大震災の際も、3月11日当日の東日本全域の公衆電話の通信回数が前日比約10倍を記録した。
災害時に優先的につながりやすく、停電の影響も受けにくい公衆電話だが、携帯電話やスマートフォンの普及により公衆電話の利用機会が減少しており、2017年12月に実施した同社の調査では、小学生の約85%が「公衆電話を使ったことがない、知らない」と答えているという。同社は、これまで公衆電話を使ったことがない子供たちへ、使い方をわかりやすくイラストなどで伝えるチラシやシール、ポスターを作成し、緊急時の公衆電話の啓発に取り組んでいる。
また、自治体の協力を得ながら、災害時に無料で使用できる災害時用公衆電話(特設公衆電話)の事前配備を進めており、NTT東日本管轄内において、2011年以降6年間で設置数が7310台から4万520台に増加しているという。

(了)
リスク対策.com:横田 和子
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
SDGsとBCP/BCMを一体的にまわす手法~社員が創り出す企業のみらい~
持続可能な会社の実現に向けて取り組むべきことをSDGsにもとづいてバックキャスティングし、BCP/BCMを紐づけて一体的に推進する、総合印刷サービスを手がける株式会社マルワ。その取り組みを同社の鳥原久資社長に紹介していただきました。2022年5月10日開催。
2022/05/12
-
企業が富士山噴火に備えなければならない理由
もし富士山が前回の宝永噴火と同じ規模で噴火したら、何が起きるのか? 溶岩や噴石はどこまで及び、降灰は首都圏にどのような影響を及ぼすのか? また、南海トラフ地震との連動はあるのか? 山梨県富士山科学研究所所長、東京大学名誉教授で、ハザードマップや避難計画の検討委員長も務める藤井敏嗣氏に解説いただいた。
2022/05/11
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2022/05/10
-
-
独自調査 富士山噴火時の企業の対応
リスク対策.comは、もし富士山が噴火したら企業がどのような行動をとるのかを探るため、 シミュレーション方式によるアンケート調査を実施。噴火警戒レベルが高まった時点、噴火発生時点、降灰が本格化した時点など、フェーズごとにシナリオを提示し、自社がとるであろう行動を選択肢から選んでもらいました。報告の第1弾として、フェーズごとの回答結果を解説します。
2022/05/09
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方