国土交通省は8日、北陸新幹線の未着工区間(敦賀―新大阪)について、2026年度内の着工を断念する方向で調整に入った。福井県小浜市と京都駅を通る現行計画「小浜・京都ルート」に対し、与党内から異論が出るなど着工のめどが立っていないことを考慮し、同年度予算案への建設費計上を見送る。週内に開かれる与党プロジェクトチームでの議論を踏まえ最終判断する。
 国交省は26年度予算概算要求に、着工に必要な費用を具体的な金額で示さない「事項要求」として盛り込んだ。年末までの与党協議で京都市周辺の詳細ルートが決まれば、建設費を予算案に計上する方針だった。
 しかし、日本維新の会は今月2日、小浜・京都ルートと代替7案の再検討を自民党に提起する方針を決定。自民党内にも選び直しを求める意見がある。与党協議の焦点は再検討の是非に移り、年内に現行計画の詳細ルートが決まる公算は小さくなった。こうした状況から、国交省は26年度内の着工が困難と判断し、建設費の予算計上を見送る方向で調整する。予算要求しながら断念すれば2年連続となる。
 小浜・京都ルートを巡っては、京都府・市が建設工事に伴う財政負担や環境への悪影響などに懸念を表明している。 
〔写真説明〕国土交通省

(ニュース提供元:時事通信社)