2025/12/11
防災・危機管理ニュース
リスク対策.comは、防災・BCP 分野における生成AI 活用を一段進めることを目的に「実務でそのまま使えるプロンプト」を読者から募集するコンテストを実施した。応募期間は11 月11〜21 日の10日間。短期間にもかかわらず14件の応募が寄せられ、リスク対策.com編集部による審査の結果、同順を含む12 件を優秀作として選定し、その中から最優秀賞(大賞)1 件を決定した。
最優秀賞に輝いたのは、遠州鉄道株式会社の吉澤弘典氏による「企業防災リーダー向け災害行動シミュレーション」。南海トラフ巨大地震を想定し、企業の店舗・営業所の防災リーダー向けにQ&A 形式でシミュレーション訓練を行うプロンプト。発災場所や時間帯、立地条件を組み合わせ、回答を次の展開に反映させることで、初動対応から事業継続・復旧までを追体験できる設計が高く評価された。回答後には、防災コンサルタント視点での採点と改善アドバイス、予算別・優先度別の備えの提案まで提示され、AI が「訓練講師」として機能する完成度の高い内容となっている。
実務に直結する提案
その他11件の優秀賞作品も、いずれも実務に直結する工夫が凝らされている。企業情報と国際トレンドを掛け合わせて新興リスクを構造的に洗い出す「エマージングリスク・アドバイザー」、発災直後3 時間の被害情報を時系列で整理する「AIによる災害時の情報提供」、企業の条件をヒアリングして訓練手法・シナリオ・進行台本・評価基準を丸ごと提案する「BCP 訓練コンサルタント」などは、日常のリスク分析や訓練の準備段階から活用が想定される。さらに、企業や自治体の入力情報から総合リスク診断とBCPレポートを自動生成する「AIによる災害リスク×BCP 総合診断エージェント」や、化学プラントの直下型地震を想定した60 分机上訓練シナリオ「AIによる非常事態訓練シナリオと評価」は、専門性の高い現場ニーズに応える作品だった。
シミュレーション系の応募多数
特に多かったのがシミュレーション系。最優秀賞に加え、中高生が避難所運営を学ぶ「AIによる中高生向け避難所開設までの対応訓練」、避難所運営ゲーム「HUG」の知見を取り入れた「1人でできる!避難所運営シミュレーションHUS-AI 」、静岡県の社員を対象とした「南海トラフ地震AI シミュレーション訓練」、富士山噴火によるシナリオを取り入れた「富士山噴火AI シミュレーション訓練」、地域防災拠点運営を想定した「避難所運営者向け訓練」など、いずれも、AI が状況を段階的に提示し、回答者にフィードバックを返しながら、対応を考えさせる構成だ。このほか、災害時のSNS 情報を評価する「災害デマ検知アナリスト」など、平時の準備から情報リテラシーまでをカバーするプロンプトも入賞している。
選定された12 のプロンプトは、12月19日に発刊する「危機管理白書2026」で概要を紹介するとともに、すべてのプロンプトも公開する予定。
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