2026/01/08
防災・危機管理ニュース
化学メーカー大手が、プラスチックなどの原料となる石油化学事業の再編に本腰を入れ始めた。人口減少で内需がしぼむ中、設備の集約は不可避とされてきたが、これまで動きは鈍かった。だが、基礎製品であるエチレンの中国による過剰生産で、各社の業績は低迷。個社での対応は限界を迎えており、設備の統廃合へグループの枠を超えた連携にかじを切った。
各社の石化事業は原油から取り出すナフサからエチレンを生産する設備を中心に、「誘導品」と呼ばれるプラスチックや合成ゴム、合成繊維原料の生産・供給に至るまでサプライチェーン(供給網)が複雑に入り組む。
こうした事情が設備の統廃合を難しくしていた。だが、石油化学工業協会によると、国内のエチレン生産設備の稼働率は2022年8月以降、好不況の目安となる90%を40カ月連続で下回っており、再編圧力は着実に高まっていた。
ENEOSは25年2月、川崎製油所(神奈川県)のエチレン生産設備のうち1基を停止する検討を始めた。同8月には旭化成と三菱ケミカル、三井化学が西日本の設備集約に向け、有限責任事業組合(LLP)を設立した。千葉県内の設備を巡っても、丸善石油化学(東京)と住友化学、出光興産と三井化学がそれぞれ組んで集約することを決定。現在、国内に12基あるエチレン生産設備は30年ごろに8基に減る見通しだ。
エチレンなどから作る汎用(はんよう)樹脂のポリオレフィン事業でも、三井化学と出光興産、住友化学が事業統合を発表。石化協の工藤幸四郎会長(旭化成社長)は「25年は石化業界がどう進んでいくかクリアになった」と振り返る。
設備の統廃合を進める一方、半導体材料など成長領域に経営資源を集中させる動きも出ている。レゾナック・ホールディングス(HD)は25年1月、石化事業を「クラサスケミカル」として分社化。三井化学も27年ごろの分社化を発表済みだ。
ニッセイアセットマネジメントの坪井暁チーフ・アナリストは「市場の圧力で経営陣の資本効率への意識が高まっている」と指摘。「分社化で他社との提携が進みやすくなる」として、今後も業界再編が加速するとの見方を示した。
(ニュース提供元:時事通信社)
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