2026/01/29
防災・危機管理ニュース
埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を受けて、国土交通省は下水道管の点検頻度や手法を見直す方針だ。ただ、老朽化した管が全国で増加する中、人口減による料金収入低下や資材価格高騰の影響で下水道事業の経営状況は厳しい。各自治体の職員不足も深刻で、適切な維持管理や計画的な更新を進められるかは不透明だ。
同省によると、全国の下水道管の総延長は2023年度末時点で約50万キロ。このうち、標準耐用年数とされる50年を経過した管は約4万キロある。老朽化の進行に伴い、43年度末には約21万キロに達する見込みだ。
同省は今後、事故現場と状況が類似した大規模な下水道管を中心に、点検頻度を見直す方針。現行では、腐食しやすい地点は5年に1回以上の点検を各自治体などに求めているが、今後は硫化水素の濃度が高く腐食の進行が速かったり、地盤が弱く陥没が拡大しやすかったりする「要注意箇所」は3年に1回以上に増やす考えだ。
また、来月8日投開票の衆院選後の国会には、下水道法の改正案を提出する予定。管の健全度を診断する基準や、維持管理のしやすさを踏まえた構造基準を定め、老朽化した管の早期発見と計画的な更新を進める方向だ。
ただ、総務省によると、23年度の下水道職員数は約2万7000人で、ピーク時の1997年度と比べて約4割減った。国交省の担当者は「各自治体の現場が人手不足に悩む中、(点検頻度や基準を)厳しくし過ぎても実施できない。現実的なラインを見極めたい」と話している。
〔写真説明〕道路陥没事故の工事現場=26日、埼玉県八潮市
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
- ディープシークを支援か=米エヌビディア、中国軍がAI利用―報道
- 千葉で震度4
- 日本海側中心に大雪警戒=関東平野部も積雪か―気象庁
- 1万6000人の削減発表=AI効率化が影響か―米アマゾン
- 進む老朽化、対策は先行き不透明=下水道管、職員不足が課題―国交省・埼玉道路陥没
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/01/27
-
-
発災後をリアルに想定した大規模訓練に学ぶ
2026年1月14日、横浜市庁舎10階の災害対策本部運営室で、九都県市合同による大規模な図上訓練が行われた。市職員に加え、警察、自衛隊、海上保安庁、医療従事者、ライフライン事業者などが一堂に会し、市災害対策本部運営をシミュレーションした。
2026/01/26
-
-
-
報告すべきか迷う情報 × 最初の一言 × 隠蔽と正直の分岐点
ここ数年、データ改ざんによる不正が突然発覚するケースが増えています。製品仕様に適合していないにもかかわらず、データの書き換えが行われていたり、燃費データや排ガス成分濃度が改ざんされているなど、さまざまな分野でこうした事件は後を絶ちません。今年も、中部電力・浜岡原子力発電所において、安全データの改ざん疑いが発覚しました。 こうした改ざんを未然に防ぐことは、リスクマネジメントの最重要テーマですが、一方で、既に起きてしまっていることを前提として、いかに早く発見し、対処するかを考えておくことも危機管理においては重要になります。
2026/01/26
-
最優先は従業員の生活支援対策を凌駕する能登半島地震 石川サンケン
家電や自動車の電子制御に用いられるパワー半導体を製造する石川サンケン(石川県志賀町、田中豊代表取締役社長)。2024年元日の能登半島地震で半島内にある本社と3つの工場が最大震度6強の揺れに襲われた。多くの従業員が被災し、自宅が損傷を受けた従業員だけでも半数を超えた。BCPで『生産および供給の継続』を最優先に掲げていた同社は、従業員支援を最優先にした対応を開始したーー。
2026/01/23
-
-
-







※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方