【ワシントン時事】米ジョンズ・ホプキンス大ライシャワー東アジア研究所のケント・カルダー所長が時事通信のインタビューに応じた。19日の日米首脳会談では、トランプ大統領の訪中を控え、日米同盟の重要性を再確認すべきだと強調。対イラン軍事作戦に関し、自衛隊による機雷掃海を巡る協議も焦点になるとの見方を示した。
 ―トランプ氏の訪中が迫る中、対中政策でどのようなやりとりが想定されるか。
 トランプ氏は対中交渉の立場を強めようとしている。中国を刺激するようなことを望むとは思えず、会談では中国を強く批判するような表現は避けるだろう。「台湾海峡の安定」など抑制的なメッセージを出す可能性はある。
 ―日本側が目指すべき成果、留意すべき点は。
 トランプ氏に日米同盟の重要性を改めて認識させ、中国より日本の利益を優先して考えるよう促すことだ。トランプ氏は経済的なディール(取引)を重視しがちで、中国との取引を優先しかねない。日本としてはトランプ氏が重視する課題にどう関与できるかを示すことが重要だ。戦略石油備蓄を最初に放出したことは評価されている。米国が直面するエネルギー価格上昇やインフレなどの問題を少しでも軽減する具体策を提示すべきだ。
 ―イラン攻撃を巡り、米側は日本側にどのような支援を求める可能性があるか。
 日本は世界有数の機雷掃海能力を持つ。ホルムズ海峡の情勢が一定程度安定すれば、日本の機雷掃海や船舶護衛が求められるだろう。トランプ政権の関心はエネルギー輸送の確保に各国がどのような役割を果たすかにある。日本は湾岸地域への依存度が高い。
 ―日本の防衛費に関し、米側はどの程度の増額を求めるか。具体的な数値は提示するか。
 防衛費のさらなる増額を促す可能性はある。ただ、トランプ政権が重視するのは国内総生産(GDP)比よりも、防衛産業分野の協力にあるのではないか。日本の武器輸出規制の緩和にも関心を持っていると思う。
 ―関税政策や日本の対米投資ではどのような協議が見込まれるか。
 重要なのは具体的な進展を示すことだ。人工知能(AI)やデータセンターを支える電力供給などが現実的だ。港湾整備や液化天然ガス(LNG)輸出インフラも視野に入る。トランプ氏は米国の利益を前提に考えているが、日本はウィンウィンのプロジェクトに持ち込むことが望ましい。 
〔写真説明〕インタビューに答える米ジョンズ・ホプキンス大ライシャワー東アジア研究所のケント・カルダー所長=12日、ワシントン

(ニュース提供元:時事通信社)