米バイデン政権下で2021~23年に初代国家サイバー長官を務めたクリス・イングリス氏が26日、都内で時事通信のインタビューに応じた。企業や官公庁を標的にしたサイバー攻撃が増える日本について「過去20~30年にわたり展開してきたシステムが、多くの弱点を抱えている」と指摘。老朽化したシステムの刷新に向け、「官民連携のパートナーシップを構築しなくてはならない」と訴えた。
 日本国内では、「レガシーシステム」と呼ばれる保守運用が困難となった古いシステムが依然使用され、サイバー攻撃対策やデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の障害になると指摘されてきた。イングリス氏は、日本政府の官民連携の取り組みについて「中期的には実行している」と評価しつつ、「ITインフラのレジリエンス(回復力)を高めるための投資を検討し、長期的にあらゆるリソースを動員して対処する必要がある」と強調した。
 また、米アンソロピックが開発した最新人工知能(AI)モデル「クロード・ミュトス」の対応策を巡っては、「脆弱(ぜいじゃく)性のないシステムを構築する方法を見つけ出すことが重要だ」との見解を示した。 
〔写真説明〕インタビューに答えるクリス・イングリス元米国家サイバー長官=26日午後、東京都千代田区

(ニュース提供元:時事通信社)