2025年に全世界で発生した災害で、少なくとも1億7100万人の子供が学習の中断を余儀なくされたことが、国連児童基金(ユニセフ)の報告書で分かった。ユニセフは学習格差や貧困の拡大につながりかねないとして、強靱(きょうじん)な教育環境の整備を訴えている。
 10日に公表された報告書では、106の国・地域のデータを分析。気候変動に伴う嵐や干ばつ、山火事などで校舎が損傷して授業が中止されるなどし、高校生までの10人に1人が学習機会を奪われた。このうち75%は所得の少ない国々の子供だった。最大の原因となったのは暴風雨で、約1億900万人が影響を受けた。
 女児の場合、避難生活で家族の世話や水くみを強いられる傾向にあり、中途退学のリスクが特に高いという。家庭の収入が減って児童婚に追い込まれ、学校に戻ることが難しくなる場合もあるとされる。
 報告書は、こうした事態が経済成長の鈍化や格差拡大をもたらすと指摘。対策を講じなければ、学習を断念した子供たちは生涯所得で総額2000億ドル(約30兆円)の損失を被る可能性があると警鐘を鳴らした。 
〔写真説明〕土石流の被災地を歩く子供=8月31日、ネパール中部ダディン郡(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)