2019/03/05
講演録
![](https://risk.ismcdn.jp/mwimgs/6/b/670m/img_6be01f29baccfa39a5c23ab9c9174c16221697.jpg)
東京都中小企業振興公社は1月24日、「被災しても成長する企業に学ぶ〜強い企業の秘訣と組織を活性化させるBCPの構築方法〜」をテーマとするBCP策定推進フォーラムを都内で開催した(企画:リスク対策.com)。
第1部の基調講演では、旭酒造株式会社代表取締役の桜井一宏氏、第2部のパネルディスカッションでは、株式会社白謙蒲鉾店常務取締役BCM推進責任者の白出雄太氏、株式会社オイルプラントナトリ常務取締役の星野豊氏、新産住拓株式会社代表取締役社長の小山英文氏、富士フイルム九州株式会社総務部特命担当部長の布留川朗氏のパネラー4者に、コメンテーターとしてアニコム損害保険株式会社監査役の岡部紳一氏を加えた計5名が登壇した。コーディネーターは株式会社新建新聞社リスク対策.com編集長の中澤幸介が務めた。
旭酒造の桜井氏は「“獺祭” のブランドを守り抜く〜西日本豪雨からの対応〜」と題して、昨年7月の豪雨被害からの復旧と事業継続について話した。被災直後の復旧作業では、純米大吟醸酒“獺祭”の「通年」醸造のために構築している「分業体制」が有効に機能し、チームでのスピードある復旧作業を可能にしたことを紹介。また、停電に伴う醸造タンクの温度制御不能状態から救済され、被災地復興支援の商品としてリリースされた“獺祭 島耕作”についても、需要期であるお盆前の発売のために関係者全員でスピード対応し、発売後数日で醸造タンク150本分の合計58万本を完売することができたことを報告した。
桜井氏はこうした経験を振り返り、「被災した状況から立ち直れたことは、私どもの社員、会社、ブランドにとって、非常に強くポジティブな結果をもたらした。どんな被害でも、立ち直りさえすれば、すごくポジティブで良い結果が待っていると強く感じた。BCPを備え、立ち直っていくことは、会社を強くする意味でも大事」との考えを語った。
講演録の他の記事
おすすめ記事
-
-
-
3線モデルで浸透するリスクマネジメントコンプライアンス・ハンドブックで従業員意識も高まる【徹底解説】パーソルグループのERM
「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンとして掲げ、総合人材サービス事業を展開するパーソルグループでは、2020年のグループ経営体制の刷新を契機にリスクマネジメント活動を強化している。ISO31000やCOSO-ERMを参考にしながら、独自にリスクマネジメントの体制を整備。現場の業務執行部門(第1線)、ITや人事など管理部門(第2線)、内部監査部門(第3線)でリスクマネジメントを推進する3線モデルを確立した。実際にリスクマネジメント活動で使っているテンプレートとともに、同社の活動を紹介する。
2024/07/23
-
インシデントの第一報を迅速共有システム化で迷い払拭
変圧器やリアクタなどの電子部品や電子化学材料を製造・販売するタムラ製作所は、インシデントの報告システム「アラームエスカレーション」を整備し、素早い情報の伝達、収集、共有に努めている。2006年、当時社長だった田村直樹氏がリードして動き出した取り組み。CSRの一環でスタートした。
2024/07/23
-
「お困りごと」の傾聴からはじまるサプライヤーBCM支援
ブレーキシステムの開発、製造を手掛けるアドヴィックスは、サプライヤーを訪ね、丁寧に話しを聞くことからはじまる「BCM寄り添い活動」を2022年度から展開している。支援するのは小規模で経営体力が限られるサプライヤー。「本当に意味のある取り組みは何か」を考えながら進めている。
2024/07/22
-
-
危機管理担当者が知っておくべきハラスメントの動向業務上の指導とパワハラの違いを知る
5月17日に厚生労働省から発表された「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、従業員がパワハラやセクハラを受けていると認識した後の勤務先の対応として、パワハラでは約53%、セクハラでは約43%が「特に何もしなかった」と回答。相談された企業の対応に疑問を投げかける結果となった。企業の危機管理担当者も知っておくべきハラスメントのポイントについて、旬報法律事務所の新村響子弁護士に聞いた。
2024/07/18
-
基本解説 Q&A 線状降水帯とは何か?集中豪雨の3分の2を占める日本特有の現象
6月21日、気象庁が今年初の線状降水帯の発生を発表した。短時間で大量の激しい雨を降らせる線状降水帯は、土砂災害発生を経て、被害を甚大化させる。気象庁では今シーズンから、半日前の発生予測のエリアを細分化し、対応を促す。線状降水帯研究の第一人者である気象庁気象研究所の加藤輝之氏に、研究の最前線を聞いた。
2024/07/17
-
-
災害リスクへの対策が後回しになっている円滑なコミュニケーション対策を
目を向けるべきOTリスクは情報セキュリティーのほかにもさまざま。故障や不具合といった往年のリスクへの対策も万全ではない。特に、災害時の素早い復旧に向けた備えなどは後回しになっているという。ガートナージャパン・リサーチ&アドバイザリ部門の山本琢磨氏に、OTの課題を聞いた。
2024/07/16
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方