ソーシャルメディアを利用するリスクの認知が低下しているという(写真:Adobe stock)

 

ネットで批判が殺到する事態が「炎上」と呼ばれるようになったのが2005年。もう20年以上経つのに、あちらこちらで炎上が発生しています。

2026年の春には、新入社員が社内情報をソーシャルメディアに投稿しては燃えてしまう騒ぎが相次ぎました。

参考:新入社員の「情報漏えい炎上」はなぜ起きる?“若者叩き”では見えない「企業の盲点」(https://www.sbbit.jp/article/cont1/184689)

 

そんな話を大学の広報論の講義などですると、毎回決まって学生から「なんで炎上した事例はたくさんあるのにやってしまうんですか?」と質問が寄せられます。そのため、「Instagramの鍵垢のストーリーズ、つまり身内しか見ないところに投稿したつもりが、誰かがキャプチャして暴露系インフルエンサーにタレコミしたりしているから」と回答していました。

「そういえば暴露系インフルエンサーの影響力って、あんまり調査を見たことないなぁ…」。ふとそう思い、先日、ウェブモニタ調査をかけてみたついでに、ソーシャルメディア利用リスクをどのくらい認知しているのか訊ねてみました。比較できるように、2020年に行ったウェブモニタ調査とまったく同じ設問にしました。

今回は、その結果をご紹介したいと思います。

後退しているリスク認知状況

2020年調査は、回答者が1205人(n=1205)、2026年調査は2165人(n= 2165)でした。調査会社も異なりますが、20〜60代男女を直近の国勢調査のデータに従って、性・年代別に割付して回答してもらっています。

同じ人に聞いているわけではないのですが、同じやり方で無作為抽出しています。つまり、性別の分布、年代の分布は、似通っているデータです。

2000年は、ちょうど恋愛リアリティ番組出演をきっかけに、心無い誹謗中傷を受けた若手女子プロレスラー木村花さんが自死された時期です。

ネット上の誹謗中傷が社会的課題として取り上げられることも増えました。

2022年には侮辱罪が厳罰化され、2024年にはプロバイダ責任制限法が改正され、大規模なソーシャルメディア運営者などに投稿の削除などを迅速に対応するよう義務付けられました。さらに、以前よりも中傷者を特定しやすくした情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)として翌年に施行されました。

そんな背景がありますから、2000年よりも、2026年は、ソーシャルメディア利用リスクの認知率は高まっているはず。そう思い、調査を発注したのですが……。

結論から言えば、すべての項目で、2026年の認知率の方が低いという結果になりました。