生成AIで就活の進路相談も、大学生の利用実態を探る
第23回:今年度の学生調査アンケートから考える
吉野 ヒロ子
1970年広島市生まれ。博士(社会情報学)。帝京大学文学部社会学科准教授・内外切抜通信社特別研究員。炎上・危機管理広報の専門家としてNHK「逆転人生」に出演し、企業や一般市民を対象とした講演やビジネス誌等への寄稿も行っている。著書『炎上する社会』(弘文堂・2021年)で第16回日本広報学会賞「教育・実践貢献賞」受賞。
2026/08/04
共感社会と企業リスク
吉野 ヒロ子
1970年広島市生まれ。博士(社会情報学)。帝京大学文学部社会学科准教授・内外切抜通信社特別研究員。炎上・危機管理広報の専門家としてNHK「逆転人生」に出演し、企業や一般市民を対象とした講演やビジネス誌等への寄稿も行っている。著書『炎上する社会』(弘文堂・2021年)で第16回日本広報学会賞「教育・実践貢献賞」受賞。
2025年あたりから本格的に普及した生成AI。研究者の中でも、積極的に活用して成果を挙げている方がいる一方、大学の課題に生成AIを使う学生が増えたり、就活のエントリーシートにも使われるなど、大学教育においても、話題になっています。ですが、実際、大学生はどのくらい、またどのように生成AIサービスを使っているのでしょう。
私のゼミでは、例年、帝京大学八王子キャンパスに通う学生を対象にアンケートを行い、簡単な報告書を作成しています。今年度は、生成AI利用をテーマに調査を行い、382人の回答を得ました。八王子キャンパスには、経済学部、法学部、文学部、外国語学部、教育学部・医療技術学部の学生が通っていますので、回答者はほぼ文系です。偏りはありますが、今回はその結果を紹介してみたいと思います。
調査は、2026年5月18日~24日の期間で、帝京大学八王子キャンパスに通う学生を対象に実施しました。学生たちには、授業などで任意に協力を募りました。回答者の属性は以下の通りです。
今回の調査では、女子が44.0%、男子が56.0%と若干差がありました。設問によっては、性差が影響している可能性もあるので、以下、男女別の集計結果を見ていきましょう。
まずは利用開始時期を見てみましょう。
使ったことはないと回答した学生は、わずか2.1%。97.9%の学生が利用経験があると答えました。今回の調査では、最初から生成AIをテーマにしていると明示していたので、利用していない学生が自分は関係ないと回答しなかった可能性もありますが、直近の調査*では、27年卒の大学生・院生のうち、就活でAIを利用したことがある学生が84.9%だったとの結果も出ていますので、高い水準で普及していると見てよさそうです。
*「2027年卒 大学生キャリア意向調査4月<就活生のAI利用について>」(マイナビキャリアリサーチLab)
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260526_110798/
ChatGPTが公開されたのが2022年11月。話題になり始めたのが2023年なのですが、この頃に初めて使ったという学生も15.2%います。国内で本格的なブームになったのは、2025年前半だったと思いますが、その時期までに3/4以上の学生が利用を始めていたようです。
では、実際にどのサービスを使っているのでしょうか。
1位はChatGPT、2位はGeminiとなりました。画像生成・動画生成系も話題にはなっていますが、実際に使ったことはない学生の方が圧倒多数のようです。「特定の国や地域で普及しているAI」は、留学生が母国のAI(中国の豆包[Duobao]など)を利用している場合を想定した選択肢です。
個人的な印象としては、教員だとChatGPT派とGemini派とClaude派の三つ巴なのですが、Claudeはまだ学生にはあまり使われていないようです。
共感社会と企業リスクの他の記事
おすすめ記事
防災は面白くないと広がらない
地震が起きたとき、スマートフォンに通知された情報を頼りに避難を判断することが多いだろう。緊急地震速報の情報から、いまどのように動くべきかを判断できる、そんな身近な危機管理を習慣づけた1 社が、アールシーソリューション(東京都新宿区)だ。2010 年に提供開始したスマートフォンアプリ「ゆれくるコール」は、緊急地震速報を受信できるアプリとして多くのユーザーが利用している。代表取締役の栗山章さんは、数多くのユーザーに防災の重要性を広めてきた一方で、ビジネスとして成り立たせる難しさにも直面してきたという。これまでのサービス開発の経緯や、防災ビジネスへの価値観を聞いた。
2026/09/09
被災施設への再入場判断「戻ってはいけない」では解決しない避難後の問題
大地震が発生し、安全な場所へ避難して一息つくと、人々には「ひとまず危険のピークは過ぎた」という根拠なき安心感が芽生える。そして、さまざまな理由で「避難してきた場所に戻りたい」といった気持ちが生じる。しかし、被害がどの程度なら戻ってよいのかについての明確なルールや事例は、どこを探してもあまり見当たらない。 国には応急危険度判定という仕組みや、施設管理者が建物を緊急点検するための指針などもある。が、これらは避難直後の「戻りたいニーズ」に応える仕組みではない。ここに、避難直後の「再入場」という古くて新しい問題がある
2026/09/09
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/09/08
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/09/07
暗黙知を形式知へ、10年の徹底改善が生きた
熊本市の工務店・新産住拓株式会社(小山英文社長)は、2016年の熊本地震や近年相次ぐ豪雨災害を通じて災害対応を磨き上げてきた。発生当日は、約3割の社員が定休日で社長も不在という条件下にもかかわらず、地震発生から50分で社員の安否確認をおおむね完了し、2時間後にはホームページや顧客専用サイトで被害受付を開始した。
2026/08/24
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方