カスハラ、サイバー攻撃…節目のルール変更を迎え撃つ
第24回:変わる法令と社内ルールを考える
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
2026/10/19
これだけは社員に伝えておきたいリスク対策
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
私たちは日々、法律や社内ルールに基づいて業務を行っています。しかし、ルールは新しく制定されたり、改正されたりするため、「知らなかった」では済まされない場面も起こりえます。
法令遵守(コンプライアンス)は、会社だけが守るものではありません。従業員一人ひとりがルールを理解し、適切に行動することで、職場の安全や信頼が守られています。
10月は下半期のスタートであり、節目の時期です。今月は法令と社内ルールを考えます。
近年、顧客や利用者、取引先等からの過度な要求や暴言、威圧的な言動による被害が社会問題となっています。
誰もが安心して働ける職場づくりに向けて、労働施策総合推進法が2025年6月に改正され、今般、2026年10月1日から、カスタマーハラスメント対策を講じることが企業に義務づけられています。また、その内容には、企業の方針を明確化し、社員に周知・啓発することなどが求められていますので徹底しましょう。
(1)カスタマーハラスメントとは
今回の法改正では、職場におけるカスタマーハラスメントは次の3つをすべて満たすものと規定されています。
1)「顧客等」はどこまでが範囲となるか
「顧客等」には、商品の購入者やサービス利用者の他に、取引先の担当者や、施設(駅、病院、学校など)の利用者も含まれています。また、対面でのやり取りに限らず、電話やSNSなどインターネット上で行われる言動も、カスタマーハラスメントの対象となります。
2)「社会通念上許容される範囲を超えた言動」とはどのようなものか
社会通念に照らし、以下の事項が該当します。
(2)社員に求められること
これまでは、「お客さまだからしょうがない」、あるいは「クレーム対応も仕事だから」と考えられることもありましたが、これからは「我慢すること」が求められる時代ではありません。法改正の趣旨は、社員を守ることにあります。
カスタマーハラスメントに該当すると思われる被害にあった場合は、自分だけで抱え込まず、会社の相談窓口に速やかに報告するとともに、その被害の状況を具体的に記録することも重要です。
カスタマーハラスメント対策は、自社の社員を守るための制度であると同時に、社員一人ひとりが他者に対して同様の行為を行わないための制度でもあります。
例えば、取引先への威圧的な要求や委託事業者への人格を否定する発言などは問題となる可能性がありますので注意しましょう。
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