見落としがちな在宅での防災
第22回:社員の自宅防災を考える
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
2026/08/19
これだけは社員に伝えておきたいリスク対策
本田 茂樹
現在の三井住友海上火災保険株式会社に入社、その後、出向先であるMS&ADインターリスク総研株式会社での勤務を経て、現職。企業や組織を対象として、リスクマネジメントおよび危機管理に関するコンサルティング、執筆活動を続ける一方で、全国での講演活動も行っている。これまで、信州大学特任教授として教鞭をとるとともに、日本経済団体連合会・社会基盤強化委員会企画部会委員を務めてきた。
日本のどこかで大きな地震があると、社内のリスク担当責任者は、自社の防災体制やBCPに不備がないか見直しすることになると思います。ただ、それは建物が耐震化されているか、あるいは防災備蓄が十分にあるかなど、あくまで社員が自社の建物の中にいることが前提となっています。
しかし、実際の地震は社員の就業時間内に発生するとは限りません。むしろ時間の長さから言えば、休日や夜間に発生する確率が高いと言えます。
自宅で被災した従業員が自分や家族の命を守れず、職場に復帰できなければ、企業の事業継続も困難となるでしょう。そこで、今回は社員の自宅防災を考えます。
(1)労働者の安全への配慮
安全配慮義務は、2008年3月に施行された労働契約法第5条によって次のように定められています。
「必要な配慮」とは、一律に定まるものではなく、企業側に特定の措置を求めるものではありませんが、従業員の職種や労務内容、そして労務提供場所等の具体的な状況に応じて、必要な配慮を求められています。
(2)自宅での安全確保は、企業にとって必須の取り組み
大地震が在宅時に起こった場合、もし従業員が自分や自分の家族の生命、身体の安全を確保できなければ、「連絡がとれない」あるいは「ケガをしているので業務復帰が遅れる」など、企業の事業継続に大きな影響を及ぼします。
そのため、従業員が在宅の場合も安全を確保できるように支援することは、企業の安全配慮義務の延長と言えるとともに、同時に事業継続の観点からも必須の取り組みとなります。
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