2016/06/14
ペットライフセーバーズ:助かる命を助けるために
楽しく学ぶ、消防関係者のためのペット救急法
消防現場において、ペットに対して救急救助活動を行う根拠について

法律の専門家に確認したところ、法律上、ペットは共有財産(共有動産)または、特有財産(特有動産)であり、災害により被災したペットは、消防法第1条の目的の「火災からの保護、災害による被害の軽減」の対象になるとのこと。
第1条 この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び【財産】を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする。
また、日本以外の先進国のほとんどでは、消防機関がペットの救助や応急処置を行うことが、消防法や災害対策基本法や動物愛護法、市町村条例などに明記されています。
特に、ペットレスキュー先進国のアメリカでは消防士、救助隊員、救急隊員のための動物救急救助トレーニングコース、BART(Basic Animal Rescue Training)が全米の常備と非常備の消防士約100万人に対して、2004年から、具体的なペットレスキュートレーニングを開始しています(http://basicanimalrescuetraining.org/)。
さらにイギリス、カナダ、フランス、ドイツなど、世界の消防界におけるグローバルスタンダード(国際基準)では、どのような災害現場においても、人命救助が最優先であるが、その次に、ペットの応急処置、救助、救命活動が行われています。
そういった近年の世界的な消防事情や日本のペット社会背景からしても、日本の消防が災害現場において、ペットを救助したり、応急処置をしたりすることは、法的な正規の行政サービス内の行為だと受け取られると思います。
ペットが急増している現在、早急に消防士のためのペット・レスキュー・トレーニングの必要性が増してきていると感じますので、「消防関係者のためのペット救急法」をご紹介し、ぜひ、日本の消防士の方々に現場で、もし、ペットが心肺停止だったらCPRを、やけどしていたら応急処置を、骨折していたら副子を当てるなどの救急処置をしていただけたらという願いから、書かせていただくことになりました。
ペットライフセーバーズ:助かる命を助けるためにの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2023/01/31
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年1月31日配信アーカイブ】
【1月31日配信で取り上げた話題】家庭での防災行動を高めるために
2023/01/31
-
-
1000人に聞いた防災の取り組みと行政への期待
リスク対策.comは、地域住民がどの程度防災に取り組んでいるのか、また防災の観点から行政に対してどのような要望を持っているのかなどを把握する目的でインターネットによるアンケート調査を実施した。その結果、2021年5月から避難勧告が廃止され避難指示に一本化されたことについては約5割しか理解していないことや、平時から国や地方自治体の防災のホームページなどがあまり活用されていない実態が明らかになった。調査は、2022年11月21日から22日にかけてインターネット上で行い、全国の20歳以上の成人男女1000人からの回答を得た。質問は、回答の質を高めるため「この質問は一番右の回答をお選びください」という条件項目を入れ、適切な回答をしなかったものを除き、計889人を有効回答として分析した。
2023/01/30
-
社内滞在時をイメージさせる実践的な訓練と備蓄
テクニカルセラミックスを開発・生産するクアーズテックは2012年、東京都の帰宅困難者対策条例を機に一斉帰宅抑制対策に乗り出しました。独自のプログラムを追加した実効性の高い訓練や被災時の心理にも配慮したきめ細かな備蓄が評価され、2021年には東京都のモデル企業に。同社の取り組みを紹介します。
2023/01/29
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年1月24日配信アーカイブ】
【1月24日配信で取り上げた話題】最強寒波への備え
2023/01/24
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年1月17日配信アーカイブ】
【1月17日配信で取り上げた話題】防災心理を学ぶゼミ生が制作した企業の防災マニュアル/コロナ発生から3年 企業の初動対応を振り返る
2023/01/24
-
BCPと助け合える関係が機能した災害復旧活動
2019年の台風19号でグループ含め3工場が壊滅的被害を受けたカイシン工業は、経営トップが「全力復旧」の方針を発表すると各工場が即座に活動を開始。取引先や協力会社の支援を受けて設備の交換を迷いなく進めるとともに、代替生産によって早期に出荷を再開しました。同社のBCPと助け合える関係づくりを紹介します。
2023/01/19
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方