3. 排泄は「待ったなし」にやってくる!

話を元に戻します。生理機能の一つである「排泄」は待ったなしです。
ここで「地震後、何時間でトイレに行きたくなったか?」というデータをご紹介いたします。6時間以内にトイレに行きたくなった人の割合は、阪神淡路大震災94.3%、東日本大震災66.7%、熊本地震72.9%という結果でした。
発災から6時間という時間でできることはかなり限られています。命の確保は最優先で、安全な所に移動、関係者の安否確認などが考えられます。このとき、多くの人は水や食料は口にできていないのではないでしょうか。それにもかかわらず、トイレには行くのです。
この結果から、水や食料はもちろん大事ですが、発災後に必要になるのは「トイレ」の方が早い、と言わざるを得ないと思います。

繰り返しになりますが、私たちは、発災後すぐに「水洗トイレが使えない」「トイレの備えがない」「トイレの支援が来ない」という事態に直面することになります。

排泄したくなった人は、おそらく水が出ないことに気付かずにトイレを使ってしまいます。してしまった後はもう手遅れです。次の人、またその次の人も、ガマンすることができないので、便器はあっという間に大小便で満杯になり、劣悪なトイレになってしまいます。
阪神淡路大震災の時、このような深刻な状況を総称して「トイレパニック」という言葉が生まれました。それ以降の震災や水害においても、残念ながらトイレ問題が起きています。
企業では、トイレが使えなくなれば事業継続どころではありません。

次回以降、トイレ問題が私たちの健康にどのような影響を及ぼすのか、具体的にどのように備えればよいのかを解説していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

まとめ
□水洗トイレはシステムとして理解すべきである
□トイレや排泄を日常の話題にすることが必要である
□トイレ対応は、水や食料より早く必要である
□発災時は水が流せないことに気付かずにトイレを使ってしまう

(了)