炊き出しのほかにダンボール立体地図を使ったdigも

会場となったのはパークE棟のピロティである。内容をご紹介しよう。

<3マンション住民による炊き出し>
 ●ローリングストック料理教室
 ●親父のアルファ米チャーハン
 ●乙女の豚汁
 ●熊本風アルファ米おにぎり
 ●下衆のイカ焼

<防災ワークショップ>
 ●段ボールジオラマづくりと完成ジオラマを用いたDIG
 ●熊本県益城町 町立広安西小学校 PTA会長 万江英彰氏による被災状況や体験の講演

<その他>
 ●三井不動産レジデンシャルなどが協賛するNeighbor NextU26プロジェクトによる一口ソーセージ
 ●近隣の店舗による出店(クラフトビール、お総菜、ジェラート、農園による地元野菜)
 ●プロミュージシャンによる熊本地震支援チャリティライブ


「知見の共有」は各ブースに見られ、たとえば「下衆のイカ焼き」では、加古川グリーンシティ直伝の防災レシピを再現。加古川では「一家に一袋、小麦粉を備蓄すべし」と教わったそうだ。

「小麦粉と卵があればイカなど具を入れただけで焼き物ができる。裏表それぞれ1分半あれば焼き上がるので、米を炊くより早い。加古川ではイカ焼き器を管理組合で備え、防災井戸も掘っています」(パーク・下衆の口会の曽根さん)。

「アルファ米おにぎり熊本風」は、たまたま熊本に行った際に地震に遭遇し、避難所で過ごした経験を持つタワーの住民が持ち帰ったノウハウを活用。ビニール袋に直接温めたアルファ米を入れ、好きなふりかけをかけてビニール袋の上から握る。これにより手早く、衛生的なおにぎりを配ることができる。食べ残した場合もビニール袋を軽く縛ればOKだ。

熊本の避難所で採用されていた方式でのおにぎり。自衛隊のスタイルだという。

「ローリングストック料理教室」は、用意しておいた食材(前もって呼びかけ、家に日頃ストックしてあるツナ缶や大豆缶、ホールトマトなどを持ってきてもらっていた)を参加者に自由に使ってもらい、工夫してパスタソースを作ってもらう趣向だ。災害時の水と燃料の節約のため、チャック式密閉袋に水を入れ、パスタを中に入れて1時間ほどつけ置きしておくという時短料理の知恵も使った。

左上の食材と野菜を使って3チームが三者三様のパスタソースを作った。



各ブースの話に耳を傾ける人も多く、それぞれが「災害時には乾パン」という固定概念を捨てることにも役だったようだ。